･ 5 ページ32
.
「マル先輩、本屋でバイトしてるんですか？」
丸「うん、行きやすい所やったし、
なんとなくでやってるだけやけどね」
「へぇ…」
ご飯も食べ終わって、
食後のお茶をしながらお話。
店内はそこまで混んでもいないようだし、
ゆっくり話すことができそう。
丸「Aちゃんは、何かバイトとかやってんの？」
「あ、はい、居酒屋でしてます」
丸「あー飲食店かぁ、大変やろ？」
「まぁ結構、笑」
…また、違和感。
微笑んでいるマル先輩だけど、
その目は私じゃなくて、
もっと奥を見ているような。
…いや、それをはっきりさせるためにも
今日話に来たんだから。
「…マル先輩は、
大学生活どんな感じなんですか？」
丸「え…」
「…え？」
丸「あ、いやごめん…」
あれ、さり気ない質問のはずが…。
何か引っかからせてしまったかな。
目を逸らして、口をきゅっと結んで、
少し考えてから再び私の方を見る。
丸「…俺、大学辞めた」
情けなさそうに笑って、そう言った。
…どうしよう、
何気無い会話から徐々に近況を聞こうとしたのに、
いきなり真髄をついてしまったみたいだ。
何も考えずに聞いてしまった自分を責めたくなる。
私が言葉を探せずに戸惑っていると、
丸「ちょ、気にせんで大丈夫やから、」
「無神経なことを…ごめんなさい」
丸「ええって、自分の意思で辞めたんやし」
「…そうなんですか？」
丸「うん…」
…でも、逆にここから掘り下げなきゃ。
もっと詳しく今の状況を知れるかもしれない。
どうして、辞めたのか。
丸「…Aちゃんやから、話す」
「…はい」
丸「大学入ったまでは良かったんやけど、
いざ始まってみたら、思ってた感じと違くて。
毎日興味無い話ばっかりで、段々、
俺大学で何してんねやろって」
…はっとさせられる。
その気持ちがあまりにも自分と似ていて、
思わず共感する。
丸「それでも一年は通ってみたんやけど、
やっぱりどうしても納得出来んくて…
それで、二年に上がる時に退学届出してん」
「…」
そうだったんだ…。
つまり、約一年前に大学を辞めて、
そこからバイト生活ってこと…。
一年前、二年に上がる時…
…ん？
そういえば、亮先輩が
マル先輩の連絡先を失くしたのって…
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 422人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒葡萄(プロフ) - ゆっちさん» ありがとうございます！とても嬉しいお言葉です…。今まで以上に書くのが遅くなってきているので、頑張ります笑 (2018年8月9日 10時) (
レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっち - 本当にこの作品がめっちゃ好きです！最近そんな更新されてないので更新しちゃってください！これからも応援してます！ (2018年8月9日 8時) (レス) id: 97646d7482 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - おおおいさん» ありがとうございます！！ (2018年8月4日 5時) (レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
おおおい - この作品の更新があるたびに一人で「おぉ、、、、、!」(いやっふぅ〜!!!)←心の中でさけんでます(((続きが気になるぅ! (2018年8月3日 21時) (レス) id: b4b5488299 (このIDを非表示/違反報告)
黒葡萄(プロフ) - 春歌さん» ありがとうございます！ (2018年7月30日 18時) (レス) id: b14b83fbb2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒葡萄
| 作成日時：2018年7月4日 18時
