僕らの彼女は猫かぶり。2期 【名前変換オリジナル】

？？？？「そうですね」 ページ22

「こ、こんにちは」

「あ、こんにちは」

あ、え、お、おう。

花火大会当日。河川敷の入り口に集まる、Aと雪見。

雪見は大変にキョドッており、AもAで少し混乱していた。

紺色に向日葵をあしらってある質素な浴衣に、紅い紐の通った草履。自分の着ているものに視線を落とし、固まってしまう。

男子と二人で花火とか、久しぶりすぎる。

「なんて、呼べばいいですか」

「…え？」

雪見はだから、と自身の深緑の浴衣の裾を強く握り、もう一度繰り返した。

「まだ、入学したわけじゃないですし」

「あー…。なんでもいいよ！」

元気に答えるA。しかし、雪見は困ったように苦笑いする。

「そういう返答が一番戸惑うんですよね…」

「じゃあ、Aさんは？」

「へ？」

Aさん、と強調して再度伝えるA。雪見は少しぼーっとした後、ハッとする。

「あ、はい！A、さん…」

「新鮮だなあ、雪見くんにそう呼ばれるの」

ちょっと照れると笑うAに、意を決したかのように雪見が口を開いた。

「Aさんは、ボクの名前知ってますっけ」

「え、雪見くんじゃないの？」

雪見は苗字です、と言う雪見に、驚きを隠さないA。え゛、と目を丸くしたまま、固まってしまった。

雪見は笑って彼女に告げる。

「ボクの名前は雪見蛍です。覚えてくださいね、Aさん」

暑いなぁ。→←久しぶりだね！

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