180枚目 ページ47
「……フン。して、ルイカよ。これからの算段はあるんじゃろうな」
「勿論です。敵の情報は全て引き出しましたから」
「へえ、やるじゃないの姫様ったら」
手が早い、と感心するスオウは、すぐに口を噤む。ミヤビは彼を一瞥してから、玉座に頬杖をついた。
「成程のう。では、何をしでかすつもりなのじゃ?聞かせてみよ」
「それは言えません」
「……ほう?」
苛立った視線がルイカを貫く。それには動じず、彼女は1人で続けた。Aたちはただ静かに待っている。ロンドは眠くなってきたのか、首がコクコクとしてきた。
「私は貴女に頼まれたから。きちんとやり遂げて見せましょう。見ててください、お母様」
「勝手にせい!興醒めじゃ……去れ」
(我儘な女帝だこと。この国、大丈夫かしら)
意地ける素振りを見せたミヤビを見上げながらそんなことを思うリオナは、何も言わずに退却の徒に続いた。
「それで、どうするつもりだ」
ヤマトが持っていた官能本を閉じて訊ねる。旅館の一室で再び集合したAたちは、顔を突合せてルイカの言葉を仰いだ。タマとイナリもその輪に加わり、その場の神妙な雰囲気にじっとしている。
ルイカはそんな空気をもろともせず、タマに向けて明るい声音を発した。
「今、百鬼夜行が欲しがっているのは我が城にある国宝なんですよね」
「うん。勾玉を盗めって……あと少ししたら」
「マガタマって何でさ」
不思議そうに眉をひそめたロンドに、ソフィが慌てたように耳打ちをする。
「この国の装飾品みたいなものですっ、あのっ、アクセサリーみたいな……?」
「アクセのことかィ」
「詳しくはググってください」
「エッ」
ロンドが目を丸くして顔を向けるも、ソフィはふいっと前に向き直った。いやググれねェって。
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モモハ(プロフ) - そらもちさん» あざーっす!アッもしかしたら中だるみなんでもないッス!てへ!(棒) (2019年4月28日 11時) (レス) id: 98af2b3beb (このIDを非表示/違反報告)
そらもち - 面白いっすね!続編も読むぜよ(`・ω・´) (2019年4月28日 10時) (レス) id: 35f31302c7 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ひかげのこさん» ありがとうございます!めっちゃ張り切ります(*´ω`*) (2018年12月12日 17時) (レス) id: 0785378cec (このIDを非表示/違反報告)
ひかげのこ(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました!更新頑張って下さい! (2018年12月12日 15時) (レス) id: 256366ff3c (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» がんばります!(テストヲヤッツケタラ() (2018年10月8日 18時) (レス) id: 937a2c5722 (このIDを非表示/違反報告)
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