176枚目 ページ43
ごき、と変な音が鳴る。それは温泉にはとても似合わない、バトル漫画とかであるような、そんな音。
直後に爆風が襲い、一人の人影が岩壁に叩きつけられた。湯気が立ち込めてはっきりと目視出来なかったものの、Aは瞬時に理解し駆け寄る。
強烈な攻撃を繰り出した双子は、暫く動かなかった。それから数秒の後、糸が切れた人形のようにがくりと膝から湯に崩れ落ちる。即座にアズマとソフィが拘束に取り掛かった。ルイカは呆然とその様子を感じている。
ちなみに、魔道士と侍の二人は重ねて近くの岩場に放り投げられている。扱いの雑さが凄い。
｢リオナ！｣
｢……｣
Aが血相を変えて、壁にもたれるリオナの傍に辿り着く。すると、彼女は虫の息で何かを呟き始めた。
｢【メ……リラ、イブ】｣
｢うおっ｣
桃色の光がリオナを包み、傷を癒していく。立ち所に傷口は全て塞がったようで、彼女は平然とした顔で手を開閉し頷いた。
｢計画通り｣
｢……｣
いつもとは違い黙り込んだ夫に、リオナは少し意外そうに瞬きをする。なんか興奮でもしたのだろうか、なんて平和なことを考えていると、弱いデコピンを食らった。
｢いっ……何よ｣
｢おーまーえーはー……！もうちょい、自分を大切にして欲しいんだけど｣
俺のお嫁さんなんだから、とまるで乙女のように恥じらい始める魔王。出会った当初であれば蔑視して引いたのだろうけど、今はなんだか愉快に感じて口角が上がった。
｢はいはい、気が向いたらそうするわよ｣
｢男湯にむやみに入るのもナシ｣
｢はいはい｣
｢……赤ちゃんの四足歩行は？｣
｢はいはい｣
聞いてないだろ！と目を三角にしたA。いや確かめ方可笑しくない？合ってない？はいはいじゃない？
それは胸の内に留めたまま、リオナは凛々しい顔付きで夫を見上げた。別に、相手がほぼ全裸でも自分がそうでも、なぜだかそんなに羞恥心が湧かない。
｢無事で何より、私に感謝しなさい｣
｢やだもう、何この子イケメンかよ｣
絶対男女逆だと思うんだけど思わない？俺だけ？
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モモハ(プロフ) - そらもちさん» あざーっす！アッもしかしたら中だるみなんでもないッス！てへ！(棒) (2019年4月28日 11時) (
レス) id: 98af2b3beb (このIDを非表示/違反報告)
そらもち - 面白いっすね！続編も読むぜよ(｀・ω・´) (2019年4月28日 10時) (レス) id: 35f31302c7 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ひかげのこさん» ありがとうございます！めっちゃ張り切ります(*´ω｀*) (2018年12月12日 17時) (レス) id: 0785378cec (このIDを非表示/違反報告)
ひかげのこ(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました！更新頑張って下さい！ (2018年12月12日 15時) (レス) id: 256366ff3c (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» がんばります！(ﾃｽﾄｦﾔｯﾂｹﾀﾗ() (2018年10月8日 18時) (レス) id: 937a2c5722 (このIDを非表示/違反報告)
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