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171枚目 ページ38

うちのお后様は凄い。

そんなことを一瞬、ぽわぽわと考えてしまった。が、すぐに首を左右に振って現実に意識を戻す。

リオナが蹴り砕いた柵の先には、ソフィが見覚えのある双子が姿を現す。思わずあっと声を上げて、ばしゃりとお湯を跳ね除け立ち上がった。あわあわと口を開閉させては二人に指をさす。

「たまたまさんとおいなりさん!」

「「違う。なんか違う。」」

「……はっっっ!!?しゅいませぇぇんんん!」

どうやらロンドの覚え方で覚えてしまっていたようで、肩を揺らすと直ぐに顔が真っ赤に染まった。そのまましゃがみ込み、お湯の中で体育座りを始める。顔を隠すようにお湯に突っ込んでぶくぶくと泡をたてるが、いかんせんその火照った耳は丸出しだ。

「タマとイナリ。“百鬼夜行”の小間使いである白猫と黒狐が一体何故ここへ?」

「長の命令。見られたから、其奴と、あと二人。」

「だから消すの。見られなかったことに、する。」

至って真顔で淡々と言葉を吐き出す双子。感情出さないのがお上手なようで、とアズマは口角を上げるも、その指先は冷え始めていた。

(だからって、わざわざ入浴中に来なくても。)

苦い思いは心中に留め、アズマは背後にルイカたちを追いやった。目を丸くするリオナたちには目をくれず、目の前の敵に殺気を放つ。

タマとイナリ。最近世間を賑わす麻薬騒動や人身売買には大抵関わっているとされる犯罪集団“百鬼夜行”の小間使い。主に前線を担う鉄砲玉的存在でありながら、交渉・密売、果てには殺人までなんでも熟す、悪の落し子。この双子が出るとその場は一気にシリアスへ持って行かれるため、早々に御退場頂きたいところだ。

双子は湯の中で肩を震わせるソフィを一瞥すると、今度は男湯の方へ視線を飛ばす。

「……でも、この女はいつだって片付けられそう。強くないから。」

「むしろ、今先に始末しないといけないのは。」

二人の息が、ピタリと合った。

「「魔道士の方。」」

途端に風圧が周りを襲う。水飛沫に目を眩ませ、直ぐに瞬いて見やった先には既に敵の姿は無く。リオナの瞳に動揺の色が混ざる。

「マズい。まさかあの人たち、」

Aたちの方に____!?

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設定タグ:男主 , ラブコメ , ギャグ   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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モモハ(プロフ) - そらもちさん» あざーっす!アッもしかしたら中だるみなんでもないッス!てへ!(棒) (2019年4月28日 11時) (レス) id: 98af2b3beb (このIDを非表示/違反報告)
そらもち - 面白いっすね!続編も読むぜよ(`・ω・´) (2019年4月28日 10時) (レス) id: 35f31302c7 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ひかげのこさん» ありがとうございます!めっちゃ張り切ります(*´ω`*) (2018年12月12日 17時) (レス) id: 0785378cec (このIDを非表示/違反報告)
ひかげのこ(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました!更新頑張って下さい! (2018年12月12日 15時) (レス) id: 256366ff3c (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» がんばります!(テストヲヤッツケタラ() (2018年10月8日 18時) (レス) id: 937a2c5722 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モモハ | 作者ホームページ:o(`ω´ )o  
作成日時:2018年4月22日 21時

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