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158枚目 ページ25

「誰、貴方達。」

俺が声をかけると、ハッとして振り返るそいつら。顔もイマイチわかんねえし、可愛いかどうかは知らねえ。

警戒心丸出しの白子(勝手に命名)が声色低く尋ねて来れば、その後ろで身構える黒子。声もどうやらそっくりみてェだ、双子かなんかだろうか。

とりあえず、びくびくしているソフィは後ろに庇う。鼻を鳴らして平然と応じた。

「俺ァロンド。通りすがりの仮面ライダ」

「只の観光客ですっ!!」

俺が言い終える前にソフィが遮りやがった。んだよせっかく人がかっこよさげに言ってドヤろうとしたっつーに。いやまあほとんど言っちまったけどよ。

俺がやや不満げにしたのを後ろで感じ取ったのか、ソフィは無言で俺の背中を抓った。何気痛ェ。

白子は観光客、と耳にするとぴくりと顔を動かし、黒子の方を向く。何やらブツブツと話し合っているようだが、いかんせん周りを見る限り、ヤバそうなのは確かだ。

「……で、お話中のところ悪ィが。お前等も名乗れってンでィ、俺だけとか不公平でさ」

ジト目で二人を見て居れば、思うところがあったようで。一呼吸置いた後、白子と黒子は各々口を開いた。

「……タマ。」

「イナリ。」

「なるほど……さしずめ、たまたまとおいなりさんってトコぅぐっ⁉」

俺は自分の思ったことを率直に言ったまでなんだが、瞬時に二人は俺のみぞおち目掛けて蹴りと拳を食らわす。あんま屋台の食い物食ってなくて良かった、もし食ってたら吐いていたところだろう。

「ロンドさん……」

「えっ、ちょ……其処はフツー”ロンドさんっ!?”とか言って駆けつけるとこだろィ。お前ェさん割と酷ェじゃねェか」

「自業自得だと、思うんです」

何故か悟ったような、いや憐れむような視線を向けるソフィ。そんな目で見ねェでくだせィ。

タマとイナリ、そう名乗った奴らはその様子を見ると、暫し考え込む。俺は倒れ込んだまま見やっていたが、二人が着物の袂から取り出したものに気付けば、咄嗟に起き上がった。

「ロンドさん!?」

最後に聞こえたのは、先ほど俺が言った通りのソフィの叫ぶ声だったとさ。

……こりゃ、参った。

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設定タグ:男主 , ラブコメ , ギャグ   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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モモハ(プロフ) - そらもちさん» あざーっす!アッもしかしたら中だるみなんでもないッス!てへ!(棒) (2019年4月28日 11時) (レス) id: 98af2b3beb (このIDを非表示/違反報告)
そらもち - 面白いっすね!続編も読むぜよ(`・ω・´) (2019年4月28日 10時) (レス) id: 35f31302c7 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ひかげのこさん» ありがとうございます!めっちゃ張り切ります(*´ω`*) (2018年12月12日 17時) (レス) id: 0785378cec (このIDを非表示/違反報告)
ひかげのこ(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました!更新頑張って下さい! (2018年12月12日 15時) (レス) id: 256366ff3c (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» がんばります!(テストヲヤッツケタラ() (2018年10月8日 18時) (レス) id: 937a2c5722 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モモハ | 作者ホームページ:o(`ω´ )o  
作成日時:2018年4月22日 21時

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