52枚目 ページ10
Aの持ってきたば〇うけをただひたすらに食べつくす私。初めて食べたけど意外とイケるわねこれ。ラファエルと彼のやりとりをジト目で見ながら、ポップコーンの要領で貪っている。
と、地上に続く階段から足音が聞こえてくる。二人の、気配。ごくり、と唾と〇かうけを喉に押し込んだ。同時に二人の人物が顔を覗かせ、ラファエルの肩が大きく跳ねる。さっきのAへの態度とは裏腹に、律義に敬礼をした。何やら話をしている、ラファエルと兵士と、偉そうな男性。立ち位置的に、ここからだと残念ながら顔は拝めないが、私にはわかる。
アイツは、私の____
男はこちらに気づき、まっすぐに私を捉えると、爽やかに笑った。
「……リオナ、おかえり」
「ええ、お兄様」
兄だ。
……ちょちょちょちょっと待て。
向かい合う、突如として現れたハンサムと、俺の嫁。なんか微笑みあってる。美男美女だわマジで。
それより気になるのが、ついさっきのリオナちゃんの発言。『お兄様』って聞こえたんだけど。確かに、黒髪に紅目っつーのは似てると思いますけれども。
俺は二人のもとに静かーに近づいて、遠慮がちに手を挙げた。
「あのー、貴方様はうちの嫁とどういったご関係で」
「なっ、じじい知らねえのかよ⁉ほんっとに糞野郎だな!」
まさかの
そんな俺の思いが通じたか、ごつい兵はこちらに軽く会釈をして、口を開く。
「自分は国王陛下の傍仕えをしております、エフラムであります!」
「オレの兄貴」
マジか。
リオナちゃんに向かい合っていた男性は、俺の方を向く。その雄々しい顔は、やっぱり彼女と似ていた。彼は俺に近づくと、頭を下げる。
「おおおおい王様!」
「陛下、なりませんぞ!」
後ろの兵士ブラザーズは慌てた様子で叫ぶ。が、男は平然と顔を上げた。
「お初にお目にかかります。ラギファルト大帝国魔王様とお見受けしますが?」
「如何にも……っす」
たどたどしく発せられた言葉に、鷹揚に頷いた男。笑みを崩さず、続ける。
「私はノア・フィーハル。最近フィーハル王国国王になりましたゆえ、どうかよろしくお願いいたします」
「あ……どうも」
俺とリオナちゃんは、牢屋から出された。
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866 - モモハさん» どーいたしまして!! (2018年7月15日 20時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» ありがとうございます!そう言っていただけるともう、あれです、昇天します()ありがとうございます! (2018年7月15日 16時) (レス) id: 7ea4a0fdca (このIDを非表示/違反報告)
866 - たまにメタなとこが出る、それがいい!! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
866 - 凄く面白いです!! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - リックンさん» そうなんですか、最近低浮上気味なんですが……これからも頑張ります(*´∀`*) (2018年6月27日 21時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
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