86枚目 ページ44
「おらおらおらぁ!!」
「ひえーーー!」
鬼人の如く辺りの家具を投げながら駆ける少女と、追いかけられるモサい男たち。転んだ者からことごとく餌食にされている。
「えー……俺のやることないじゃん」
「そ、そこのチミ!」
不意に声高に呼ばれたヴァレンタイン。ん?と振り返るも、誰も視界に入らない。すると、ズボンをぐいぐいと引っ張られた。
「……わ、ちっちゃ」
「ちっちゃとはなんだねチミ!じゃなかった、チミ。ちと助けてくれないか!?」
「え?なんで」
ヴァレンタインの足元にいたのは小柄な男性。若干ド◯えもんのス◯夫に似た風貌で、いかにもお金持ちなタキシードを着ている。
ス◯夫(仮)は短い手足をぶんぶんと振り、必死に訴えかける。
「ぼ、ぼくちんはただ元カノを連れてきただけなのに、あんな暴力女まで来ちゃったん!アイツは前もぼくちんたちの邪魔したんよん!」
「ふーん」
じゃあこの人がトグロか。
尚も興味なさげに応じるヴァレンタインに、痺れを切らしたトグロ。小切手を取り出し、数字を書き連ねたものを彼に見せつける。
「助けてくれたらこれくらい払うのん!?どうだ!?」
「おー、大金だね。でも助けない」
「何故だ!足りないのん!?」
「んー、金額としては大分弾んでるよね」
「では何故!」
ヴァレンタインはトグロに微笑んだ。
「俺は魔王のものだから」
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866 - モモハさん» どーいたしまして!! (2018年7月15日 20時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» ありがとうございます!そう言っていただけるともう、あれです、昇天します()ありがとうございます! (2018年7月15日 16時) (レス) id: 7ea4a0fdca (このIDを非表示/違反報告)
866 - たまにメタなとこが出る、それがいい!! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
866 - 凄く面白いです!! (2018年7月15日 7時) (レス) id: 4d6199feac (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - リックンさん» そうなんですか、最近低浮上気味なんですが……これからも頑張ります(*´∀`*) (2018年6月27日 21時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
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