俺は魔王で嫁が勇者でイベントあり過ぎてもう意味わかんないけど楽しくやってます。【名前変換オリジナルファンタジー】

70枚目 ページ28

「い、いいと思うけどね？俺はね？」

ヘロヘロと力なく机にうつぶせた俺氏。嫁には勝てねえよこん畜生。

やったー！と跳ね上がるカペルちゃん。俺は紅い前髪をかき揚げて彼女を見やる。

「でもさぁ、ぶっちゃけ今人員足りてんだよね。どこもハローなワークがねえんだよ。そこら辺どうすりゃいいわけ？」

「……あ、あのっ。たたた足りない部署(ところ)、あるん……ですけど！」

ソフィちゃんが名乗り出た。うっそマジか。

それにゃに、ソフィにゃん！とカペルちゃんが近づくと、彼女は赤面し、仰け反りながらも答えた。

「きゅ、厩舎の方の飼育係です！なんでも、魔法学校の生徒が馬たちを実験台(モルモット)にしようとして、大変らしくて……」

「それは大変だにゃ！カペルが代わるにゃ！」

はいはいっと手を挙げたカペルちゃん。リオナちゃんが後ろで俺に目配せしている。

(他に何か問題はあるの？)

「……ねえよ」

「ん、主(あるじ)？」

俺はヴァルくんに呼ばれ、反動で顔をガバッと上げた。勢いよく机に手を叩きつける。

「だからぁ、いいんじゃないんでしょーか！厩舎係のカペルちゃんね！了解！」

あーあ、書類が増えちまったなあ。

俺が乾いた笑いを見せると、カペルがにゃーんと俺に飛びついてきた。爪痛ェよ。

「ありがとAにゃん！カペル、頑張る！」

「はいはい」

その日、猫娘は城下町の宿に泊まりましたとさ。

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