俺は魔王で嫁が勇者でイベントあり過ぎてもう意味わかんないけど楽しくやってます。【名前変換オリジナルファンタジー】

66枚目 ページ24

「つーかーれーたー」

「お疲れ様です、A様。ホットミルクです」

さんきゅ、と鼻をズビズビさせながら俺は飲み物を啜る。あっついわ、舌火傷したわこれ。でもまろやかで結構うまかったり。

今日の空模様はやや曇り。どっかで雨でも降ってんのかね。つーか、寒くなってきたよな。俺は村にいた時どうやって生きてたんだろ。

そういえば、とアルくんが『完璧な執事になる為の方法100』を閉じて顔を上げる。

「先ほど村娘から魔王への謁見を願い出られまして。忙しい上に予約もなかったので断ったのですが、まだ門の前に立っているらしいんです」

暇があるうちに、一応謁見致しますか？





「＿＿あ、やっぱり！」

「は？」

「Aにゃーん！」

玉座に座るAに、抱きついてきた少女。それを呆然と眺めるアルフレッドとヴァレンタイン。

事態は、ほんの少し前に遡る。



「顔を上げて下さい、と。……え、カペル？」

以上、ほんの少し前。



同様するAとは裏腹に、カペルと呼ばれた少女はにんまりと笑って玉座の前に立ちふさがる。慌てて引き剥がしにかかるアルフレッドを制した魔王。リオナよりも若干幼い彼女に問いかけた。

「にゃんとか言うな。にゃんにゃんしちゃうぞこの猫娘め」

「にゃう……んふふ。変わってにゃい！」

もう一度抱きつこうとする猫娘を優しく拒否したA。

カペル。12歳の村娘。

Aの村にある家の、隣の家の女の子である。

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