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遅れて君の一番 1/スタン ページ10

やさしい朝陽が部屋中いっぱいに射し込む。
重い腰をあげて目覚ましを止める――不思議なことに、何度も繰り返した行為は体に染み付いているもので、意識せずとも体が動いていた。


「……って、ああ!!!!」

目覚ましを止める一連の行為は体が覚えている。だが、二度寝を抑制することはまだ覚えていないもので、むしろ遅刻を繰り返し、冷たく張り詰めた空気の中を駆けていくことだけを覚えるのが今の私の限界らしい。

白い息を切らしていつものバス停まで走ってみれば、いつもいるはずの四人が先にバスに乗ったのだろう。そこだけ切り取ってしまったかのように寂しげだった。

「……あーあ、」

私はがっくりと肩を落とした。
バスに乗り遅れたのもあるけど、本音を言えばスタンと話す機会を逃してしまったから、の方が大きいかな。

スタンとはまだ付き合ってるという訳ではないけれど、もうボーイフレンド、ガールフレンドと呼び合ってもおかしくないくらいに仲良くしている。

ハグはするし、頬にだけどキスもしてくれたし、好きって言ってくれるし…………


言葉にしてみると完全に恋人同士の付き合いだが、ウェンディといろいろあるらしくて、私をまだ彼の中の一番として見てくれていない。



もう少し、一歩踏み出すきっかけがあれば――



*


遅刻することは承知の上で、雪の降り積もる通学路を歩き始める。でも、遅刻は遅刻なので少し急ぎめに人気の少ない近道を歩くことにした。

この町には似合わないくらいに真っ白で純粋な雪は、毎年欠かすことなく空から降ってくる。
この変わりない日々に、なにか変化が起こればいいのに。


私の雪を踏むサク、という音に続いて、後ろから足音が聞こえた。
早朝にこの通路を通る人がいるのは珍しいなと思っていると、その足音は急ぐみたいに雪を踏む間隔が短くなっていった。
私の真後ろに近づいた時に顔を見てやろう、と後ろを振り返ると、私の目の前に、すっとんきょうな顔をした男――赤いポンポンがついた帽子、ちらりと帽子から覗くストレートな黒髪……


紛ごうことなき、スタンがそこにいた。

遅れて君の一番 2/スタン→←砂糖、ひとつ、ふたつ/トゥイーク



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設定タグ:サウスパーク , 短編 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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しらす(プロフ) - あっしゅき (2020年4月2日 17時) (レス) id: 721cc084cb (このIDを非表示/違反報告)
もりた - すっごい好きです。続き待ってます。応援してます。 (2017年3月17日 6時) (レス) id: a88801d335 (このIDを非表示/違反報告)
ももえだ(プロフ) - 浅江さん» わーコメありがとうございます!!s19全話見ましたよー!トゥイークとクレイグが衝撃でした…ww (2016年2月3日 23時) (レス) id: 3e22522982 (このIDを非表示/違反報告)
浅江(プロフ) - そういやs19見てますか!?www (2015年11月22日 14時) (レス) id: 06b4bd4c52 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - ももえださん» うっひょおおお!!更新嬉しいですー!!これからも頑張ってください! (2015年11月3日 22時) (レス) id: 5a445ac752 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももえだ | 作成日時:2015年7月30日 13時

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