遅れて君の一番 2／スタン ページ11
「やっぱりA」
私の顔を見るや否や、彼は表情を明るくしてそう言った。
私は今の現状がまだ理解できていないのに、スタンのされるがままに抱きしめられていた。
「今日寝坊してさ。凄く焦ったけどAも一緒ならいいか」
「いや、よくない。スタン離して」
本当はずっとこうしてほしかった癖に、スタンの前では良い女みたいに見せたいがために、甘えないことを常に心に留めている。
背の高い彼の顔を見上げると、欲望に目が潤んでいたので、今はダメと伝える代わりに彼の唇を指でバツの形になぞった。
スタンも了承したようで、指先にキスをしただけで我慢してくれた。
「あー……やっぱ、A好きだ、愛してる」
そう口癖のように呟いて、次は私の耳元に軽くくちづけを落とす。やっぱり我慢できないみたいで、温かいスタンの吐息がくすぐったい。
スタンは誰の前であれI love you、と恥ずかしげもなく口にする。彼は正直で、思ったことはすぐに口に出す。馬鹿正直だ。きっと経験の多さということもあるんだろう。
今まで何回女の子に言ってきたんだろうと思うけれども、私にはスタンの口から零れる『love』という言葉がどうしても耳から離れなかった。
「ね…………スタン、ほんとに学校行かないと、」
「ん、ずっと学校サボって二人でこうしてたいな」
「ちょ、ちょっと！！」
そう言ってスタンが私に顔を近づけてきた。
それを避けるように、みぞおちに重い一発を入れた。
唇にキスするのは付き合ってからって決めてたし、もし顔をめがけて吐かれたりなんかされたくないから。
……でも、スタンが吐いてくれるのはいいことなのかな？
*
「まったく、二人でどこ行ってたんですか。ちゃんと遅刻届を出してくださいね。あと、今日は二人とも居残りです」
はーい、と二人そろって顔を渋くした。
遅刻理由までちゃんと書かなきゃいけないらしい。今日はスタンに会ってしまったことで余計に遅刻してしまった。もちろん、スタンとしたことを遅刻理由になんてできないな。
彼は、スタンは遅刻理由はなんて書くんだろう。いつもみたいに、馬鹿正直にならないといいのだけれど。
2015.11.01
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しらす(プロフ) - あっしゅき (2020年4月2日 17時) (
レス) id: 721cc084cb (このIDを非表示/違反報告)
もりた - すっごい好きです。続き待ってます。応援してます。 (2017年3月17日 6時) (レス) id: a88801d335 (このIDを非表示/違反報告)
ももえだ(プロフ) - 浅江さん» わーコメありがとうございます！！s19全話見ましたよー！トゥイークとクレイグが衝撃でした…ww (2016年2月3日 23時) (レス) id: 3e22522982 (このIDを非表示/違反報告)
浅江(プロフ) - そういやs19見てますか！？www (2015年11月22日 14時) (レス) id: 06b4bd4c52 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - ももえださん» うっひょおおお！！更新嬉しいですー！！これからも頑張ってください！ (2015年11月3日 22時) (レス) id: 5a445ac752 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももえだ | 作成日時：2015年7月30日 13時
