かまいたくなるのは S.Moriyama_02 ページ24
「美味しかった〜」
『そうやな〜』
お腹いっぱいになったし劇場に戻るか。
そう思って劇場方面に歩き出すと
『A』
急に名前を呼ばれて振り返る。
『もう少し寄り道してもええか？』
「はい...！」
そんな風に言う盛山さんの顔はすごく真剣で断ることはできなかった。
----------
-----
--
「うわぁ...おしゃれー...」
少し歩いたところにノスタルジックな佇まいのカフェが出てきた。
『一人で入るんはなんかあれやったしお前こういうの好きそうやなって思ってな』
そう言いながら二人で店内に入って席に着きメニューを開く。
「わぁー美味しそう...」
昔ながらのプリンやどこか懐かしいフルーツサンドにコーヒーゼリー...
どれも私が好みの食べ物ばかりだった。
「悩むなあ...」
『ほんなら俺のも分けたるから2個頼んでもええで』
「本当ですか...！」
私は悩みに悩んでフルーツサンドとプリンにした。
「よくこんなお店知ってましたね」
『まあな』
盛山さんは先に来ていたセットで頼んだアイスコーヒーを飲んでいる。
それ以上特にお互い喋るわけでもなく静かに私もアイスティーを飲む。
なんかいつもの賑やかな先輩後輩という関係じゃなくて静かな時間が流れていても落ち着く特別な人...。
不思議と盛山さんとはそうなっても気まずくなかった。
「うわっ可愛い...！」
注文していたフルーツサンドとプリンが来て見た目の美しさと甘い香りに思わず言葉が出てしまった。
『ほんまにこういうの好きなんやな...』
「はい！昔懐かしい感じの食べ物とかその雰囲気が好きなんです...！」
『...連れて来た甲斐があったわ』
「うん？なんか言いました？」
『なんも言うてへんよー、はよ食べるでー』
そう言ってフルーツサンドに手をつけようとする盛山さん。
「あっ！ちょっと！写真だけ撮らせてください！」
「それに私が頼んだのになんで先に食べようとするんですか！」
文句を言う私にはいはい、と言って呆れながらも待ってくれる盛山さんの優しさに少しだけドキっとした__。
『よし、そろそろ戻るか』
「そうですね」
そう言って私が伝票を持とうとするとスッと盛山さんに取られる。
『俺のおごりや言うたやろ』
「いやいやさすがに2軒目も奢っていただくのは...」
『俺がここに連れて来たくて来たんやから素直におごられろ』
そう言い残してレジに行ってしまった。
かまいたくなるのは S.Moriyama_03→←かまいたくなるのは S.Moriyama_01
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がー(プロフ) - ありがとうございます、！！ゆっくりで大丈夫なので楽しみにしてますね！！ (2022年7月14日 1時) (
レス) id: 119bcec416 (このIDを非表示/違反報告)
うた(プロフ) - まるまるさん» わざわざすみません！！ありがとうございます！いつまでも待ちますし、後回しになっても大丈夫ですので、気軽に待たせていただきます！ (2022年7月14日 1時) (レス) id: db6601ed95 (このIDを非表示/違反報告)
まるまる(プロフ) - うたさん» リクエストいただきありがとうございます...！私自身奥田さんに詳しくないので少し情報を集めて小説を書きますのでお時間がかかってしまうかもしれませんが気長にお待ちいただけると幸いですm(_ _)m (2022年7月12日 22時) (レス) id: 22a67af544 (このIDを非表示/違反報告)
まるまる(プロフ) - がーさん» ありがとうございます...！リクエストもいただきありがとうございます。必ず書かせていただきますので少々お待ちいただけると幸いです(´∀｀*) (2022年7月12日 22時) (レス) id: 22a67af544 (このIDを非表示/違反報告)
うた(プロフ) - もしお時間ありましたら、ガクテンソクの奥田さんのお話書いていただけたら嬉しいです！！ (2022年7月11日 23時) (レス) id: db6601ed95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まるまる | 作成日時：2022年6月16日 1時
