Assortment of sweets (ページ43)

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合コン K.Ito_03 ページ43

時間はあっという間で私たちは気づくと閉店時間近くまでいてしまい急いでお店を出た。

すっかり日は落ち始めていて夕方の西日がさしている。

遅くならないうちに帰るため、二人で駅に向かって歩き始めた。

思えば喫茶店ではお互いに本を読んでいただけでほぼほぼ話していない。

本来のデートだったらそれぞれのことを話したり買い物をして美味しいご飯を食べたりが普通なんだろう。

それなのに私が本を読みたいといって自分を優先させてしまった。

きっと伊藤さんもつまらなかっただろうな__。

今まで付き合ってきた人にも一緒にいてもつまらないとよく言われて振られてきた。

「なんか全然話せなくてすいません...。私といてもつまらなかったですよね...」

ついそんな言葉が出てしまった。

勝手に一人で落ち込んでいるだけなのに。

『そんなことないですよ』

優しく落ち着いた声で答えてくれた伊藤さんの方を思わず向く。

『僕も女の子と話すのが苦手でそれこそ合コンとか行っても自分だけ浮いちゃったりしてたんですけど』

『Aさんはすごく話しやすくて趣味が合うし今日もお会いできて嬉しかったです』

『集中して本を読んでいるAさんの顔もとても美しかったですよ』

美しい...。自分がそんな風に言われたのは初めてで思わず恥ずかしくて俯いてしまう。

『あっ、ごめんなさい！急にこんなこと言うの変ですよね...』

「いえ、嬉しいです...そんな風に思ってくれて...」

もしかしたら...伊藤さんとなら付き合いたいかも。

そんな風に思っている自分がいた。

「もし伊藤さんが嫌じゃなかったらこれからもお会いしたいんですけど...ダメですか？」

そう言うと伊藤さんはびっくりした顔して

『実は僕も同じことを思ってました...！ぜひお願いします！』

そして二人でふふっと笑い合った。

二人の恋が進むのはもう少し先のこと__。