Assortment of sweets (ページ39)

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君が好き Lily_04 ページ39

えっ。
だいたいそう言うといつもそうっすか、って引き下がってたはずなのに。
初めてリリーくんに反抗された気がする。

『それならAさんちで飲みましょう』

『いいっすよね』

そう言って私の手を引く。

「ちょっと、ここ劇場内だからっ...」

それでも相変わらず私の手を掴んでいる手を離してはくれなかった__。

正直リリーくんを家に入れたくはなかった。

彼氏ではない好きな人と私の家で事に及ぶなんてことがなくはない。

それが嫌だった。

外に出てタクシーを捕まえようしているリリーくんに向かって提案する。

「リリーくん、やっぱり外で飲もう」

『明日早いんやないんですか、それやったらお店じゃなくて俺んち行くのでもいいっすよ』

「外で飲んで早めに切り上げればいいし、リリーくんの家に行かなかった遅くならないから」

そう言うとリリーくんは眉間にシワが寄せながら

『嫌なんすか、俺ん家行くの』

私を見つめる。

『Aさんちも俺んちも行きたくないって、急にどうしたんですか』

「それは...」

リリーくんが好きだから。これ以上期待したくない。

リリーくんにとっては体の関係があってたまに飲みに行く先輩くらいにしか思ってないかもしれないけど
私にとってはずっと好きで叶わない恋をした男性だから。

何も言えなくて私は俯くことしかできなかった。

はぁとため息をつくリリーくん。
呆れられたかな、そう思っていたら

手を挙げてタクシーを止めているリリーくん。
そのまま私も乗せられる。

『～～までお願いします』

それは私の家の住所だった。

「えっなんで知ってるの？」

『奈々さんに深刻そうな顔で聞いたら教えてくれました」

奈々なんで教えるのよ...そう頭を抱える自分とワクワクしたように笑うリリーくんだった。

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『へえ～こんな雰囲気なんすね～』

「あんまりジロジロ見なくていいから...」

さすがに部屋の前まで来て断れずにリリーくんを部屋にあげてしまった。

「なんか食べる？」

「おつまみなら作れるけど」

そう言って冷蔵庫の中からビールをとって今ある食材を見ながらあれこれ考えていると

『...やっと二人になれましたね』

急に後ろから抱きしめられてそんなことを囁かれたからビクッと反応してしまう。

『ふふっ...かわいい...』

そうして髪を撫でられる。