Assortment of sweets (ページ18)

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スーツのあの人 K.Kawanishi_05 ページ18

「オムライス美味しかったー！」

「だろ、あそこうまいんだよー」

休憩時間も終了が近くなったので劇場に向かって駅ナカを健太くんと歩いていた。

『あれ』

「あっ」

すれ違いざまに見かけたのは
いつものスーツ姿ではない私服でメガネをかけた完全オフモードの川西さんだった。

「お、お疲れ様です」

『お疲れさん、二人でどこか行ってたん？』

ちらっと健太くんの方を見てから私に問いかける。

「あっ今日はたまたま同期の健太くんと仕事が一緒で...！今お昼食べてから劇場に戻るところです！」

『そうなんや、同期とランチとかええなー』

「そうですねー、やっぱり仲がいい同期がいると仕事をする上でも心強いです！」

『それはよかったなー、てか名前で呼んでるんやね』

「えっ？あ、はい...」

なんかまずかっただろうか。
なんだかいつもの笑顔の川西さんのはずなのに目の奥に冷たさを感じる。

「でも、ほらただの同期ですから！ほら、そうやろA！」

なぜだか慌てた様子で私の肩を小突く健太くん。

「は、はい！そうですよ！」

『ふーんそれならええわ、ごめんな二人とも呼び止めてもうて』

ほな、と言って川西さんは人ごみの中に消えていった。

「なんか、川西さん怒ってなかった？」

健太くんにそう尋ねると

「あー、うん、これはよくないタイミングで会っちゃったなー、笑」

そういって頭をガシガシ掻いている健太くん。

また川西さんに悪いことをしてしまったんだろうか__。
不安で仕方がなかったが次の公演の準備をしなければいけなかったので二人で急いで戻った。