第17話 ページ19
彼女は何も知らないような顔をして太宰さんを見つめていた
冬華「ねぇ、太宰さん?」
太宰「そのハサミ、捨てて。」
冬華「それは無理なんだよ。ごめんけどな。」
太宰「冬華……会わないうちに何があった?」
真緒「ねぇ、冬華ちゃんの……気持ちがわからないんだ……。」
冬華「真緒ちゃんは気にしなくていいの。」
朝日「冬華。そろそろ戻るぞ。チャンスは何回でもある。」
冬華「幹部様はなんて?」
朝日「特例で彼が戻るまで幹部代理として幹部と同じくらいの権限を与えるらしいわ。」
冬華「そう。嬉しいわ。」
真緒「え、嬉しいの?それ。」
冬華「ええ。知らない人が代理より身内が代理の方がいいの。」
真緒「ふぅん。」
朝日「行きましょう、幹部代理様。」
冬華「それはやめてください……。」
太宰「お願い……もうそっちは……マフィアは……!……お願いだから、一緒に人を助けよう?」
中島「太宰さん……。」
さっきよりも感情が剥き出しになってる。
朝日「貴方には何もわからないでしょうね。不幸な友人の妹さんに対して。精々一緒にs……あ。」
太宰「ねぇ、冬華?」
ふと抱きしめられる。
冬華「太宰さん、やっぱり可笑しいよ。」
太宰「……私はいつもと同じだよ。」
冬華「……そう。貴方はいつもこんな感じだったわねぇ。」
真緒「あの、なんだか罰当たりな感じがします。」
冬華「いいの、私の兄貴の墓だし。」
真緒「ええー?」
冬華「太宰……さん。」
真緒「……暇なんですが。」
朝日「ですね。」
万「……冬華。」
冬華「わかった……。」
中島「……血?」
太宰「っ……た。」
冬華「……これでいいんでしょ?」
万「うん……きみはいい子だね。」
冬華「……ふぅ。」
太宰「ふ……ゆか。何を?」
首元を抑える。やはり、これくらいでは死ねないだろうな。
中島「ふ…冬華さん!」
冬華「これは太宰さんにとって嬉しいのでは?」
太宰「これくらい、問題はないか。」
冬華「ごめんなさいね、これも貴方のためよ。」
太宰「それは……。」
冬華「魔法のステッキだよ。これ使うたびに寿命が減るっていう欠点があるんだけどね……。」
朝日「冬華、探偵社の国木田が来た。急ぐぞ。」
冬華「……はーい。」
中島「なんだったんでしょうね……。」
真緒「太宰さん、さっきはごめんなさいね。……少ないですが治療費に当ててください。」
国木田「太宰!遅いぞ。」
太宰「ごめん……って。」
中島「大丈夫ですか?」
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黄泉 | 作成日時:2018年7月21日 20時