織田作の妹は不幸になった。 (ページ17)

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第１５話ページ17

太宰「……織田作。」

彼は本当にいい奴だった。こうして毎年手を合わせてる。
妹思いで、仲間思いで。

ふと背後に気配。
今日は新人の中島くんもいるが……。

中島「？」

まあ…一応は友人の兄の墓参りという名目でついて来てもらってる。

冬華「今年も来ていただいて嬉しいですわ。太宰治様。」

太宰「冬華ちゃん、君も来ると思っていたよ。」

冬華「ふふ、当たり前でしょう？」

真緒「えーっと……ここがお兄様のお墓？」

冬華「ええ、無理を言ってごめんなさいね。折角なので……。」

真緒「いいのよ！お仲間ですし」

太宰「元気そうで何よりだ。」

冬華「そうね、人助けは出来ているのかしら？」

太宰「まぁね、お兄さんに言われちゃ……ね？」

冬華「……そうでしたわね。」

真緒さんを連れて来たのは悪戯の為だ。久々に太宰さんに会うのだし、少しくらい良いよね！ということで些細な悪戯をプレゼントする。

部下と思われる少年がいてくれて助かった。

真緒「……白髪の君、可愛いわね。」

中島「え？ぼ、僕ですか！？」

少し照れて顔を掻く少年。
うん、この子はリアクションいい感じだな。多分。

真緒「私の目をみて。」

太宰「！？」

真緒「……よし、いい子だ。」

彼女の毛先が緑色っぽくなり両目から血が出る。
もうこうなってしまえば少年は喋れない。
これは彼女の魔法だ。
目を合わせた相手の石化。
といっても固まってるようにしか見えないから何も問題はないんだけどね。

冬華「お、こりゃあいい眺めですわ。」

真緒「ふぅ。これ墓前で罰当たりでしょう。」

冬華「そうかな？別にいいわよ。」

太宰「この子に…何を？」

冬華「少し、悪戯をしたのよ。悪戯。」

太宰「冬華！」

冬華「……大丈夫よ、すぐ解ける。」

真緒「ご、5分くらいですので。基本これは敵の動きを止めるんですよね！」

冬華「って事で、お墓の掃除しようか。」

太宰「えっ……この状況で話進めちゃう！？」

冬華「……太宰さんは楽でいいですよね。私は全力で止められたのに。」

真緒「な、なんの話？」

冬華「あ～…太宰さんって自●趣味のあるお方で。やろうと思えばできるのに対して私は監視され色々管理されてる。羨ましいと思ってね。」

真緒「ああ、あの時の。あの人(管理人)から話は聞いてます。……残酷ですよね。」

冬華「そのかわり、プレゼントをあげるって。ばっかじゃない。」

これが本音である。
腹の奥底から思っている。