弱虫ペダル×体調不良3 (ページ5)

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集団胃腸炎【43】ページ5

葦木場side

葦『ハアッ...ハアッ...すみません...』

床に座り込む。

冷たい...

荒『顔色悪いけど、どっか痛てえの？』

葦『いや...ハアッ...ちょっと気分悪くて...』

荒『そっかそっか...それで授業抜けてきたのか？』

葦『はい...』

荒『保健室までおぶってやりてえけどさすがにお前を1人では運べねえな...少ししたら肩貸すから立てそう？』

優しい...

葦『...ハアッ...はい...』

背中があったかいって思ったら荒北さんがさすってくれていた。

最初は良かったけど、だんだん気持ち悪くなって来る。

葦『ハアッ...ハアッ...ッウ...ハアッ...ピクッ』

気持ち悪い...！

急に戻しそうになり急いで口元に手を当てる。

辛くて涙が溢れて来る。

荒『葦木場？吐きそう？』

それに気づいた荒北さんがすぐに声を掛けてくれる。

俺は頷くことしかできない。

荒『泣くなって！トイレ行くぞ！』

肩を借りて立ち上がりトイレに向かう。

荒『ほら、もう少しだから頑張れ！』

そう言われ震える足で頑張って歩く。

見えた、トイレ...

あと少し...

やっとトイレの中に入る。

個室は...

葦『ッグ...ッウエ...パシャ...』

個室に入る為に取手に手をかけた瞬間、耐えられず少しだけ手の中に戻してしまった。

荒『おお、出ちゃったか...大丈夫だ、座るぞ。』

その姿を見て荒北さんは少し驚くも俺を便器の前に座らせてくれた。

すぐに便器に手を付く。

葦『ハアッ...ハアッ...ッゲェーッ！ハアッハアッ』

便器に顔を埋めると先程よりも凄い勢いで嘔吐物が競り上がって来る。

葦『ハアッハアッ...オエッ！ゲエー！ッパシャパシャ...』

きつい...気持ち悪い...胸痛い...

荒北さんは背中をさすり続けてくれている。

汚れてしまった手と口元もトイレットペーパーで拭いてくれる。

荒『大丈夫かア？しんどいな。』

こんな姿...見られたくなかった...

もう嫌だ、疲れた...

なんでこんな事に...

葦『ハアッ...ハアッ...ごめんなさい...授業中に...』

すっかり忘れてたけど今はまだ1時間目の授業中。

そういえばこの人なんで廊下にいたんだろう？

こんなに具合が悪くても冷静に物事を考えている自分がやっぱり不思議だ。

荒『いいよ別に。てかもう終わりだろ、落ち着いたか？』

葦『...はい..』

荒『とりあえず保健室行くか。』

また荒北さんに肩を借り立ち上がり保健室に向かう。