弱虫ペダル×体調不良 (ページ10)

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今泉×高熱① ページ10

今泉side

今日は泊まりがかけで他校との合同練習。

恐らくレースになるだろう。

今はバスで移動中だ。隣には鳴子が座っている。

杉『すみません！小野田がバス酔いです！』

俺はバスの1番後ろに鳴子と座っていて前方には小野田と杉本が座っている。

小野田はいつものバス酔いのようだ。

小野田は乗り物に弱い。

杉『ちょっと、小野田、大丈夫かい！？』

小『...ウゥ...大丈夫、大丈夫、いつものことだから...ごめんね...へへっ』

鳴『カッカッカッ！！なかなか小野田くんはバスにかてんなあ！酔い止めちゃんと飲んだんかいな！！』

小『うん...飲んだんだけどなかなか慣れなくて...ただもう大丈夫だよ...』

杉本、鳴子、他の部員が小野田に近づき、手早く換気だったりエチケット袋の用意をしたり水を飲ませたりする。

いつもなら俺もそれを手伝う。

そう...いつもなら...

今日は...

誰にも伝えてないが朝から本調子ではない。

いわゆる体調不良だ。

朝、起きたときに体の怠さが酷く頭痛がした。

おかげで起き上がるまでに時間がかかった...

恐る恐る熱を測ると38.2度...

最悪だ...

怠い体を必死に動かしながらどうにかここまで辿り着いた。

そして今このバスの中にいる。

朝から...いや...今は朝より体調が悪い。

気にしたら負けだと思っていたが体調不良と戦うのはなかなか辛い。

というか、俺、体調崩すとか久々すぎ。

小『みんな迷惑かけてごめんね！もう全然平気！それよりみんなでラブ☆ヒメでも歌わない！？』

鳴『カッカッカッさすが小野田くん！毎回復活早いなあ！！』

杉『ラブ☆ヒメは勘弁してくれよ小野田...』

鳴子は隣で立ち上がり前に身を投げ出し、小野田と鳴子と盛り上がってる。

会話を聞いた他の部員とマネージャーの神崎も小野田を見て笑っている。

いつもなら俺も適当に会話する所だが、今の俺にはその声すら頭に響く...

とりあえず、寝よう。

ぎゅっと目を瞑り窓に寄り掛かる。

あいにく今日は窓側の席だ。

寄り掛かれて良かった...

鳴『なあ透かし。』

寝よう、そう思った時鳴子が声を掛けてきた。

今『なんだよ...』

鳴『いやあ、今日はやけに静かやなって！透かしすぎやろ！カッカッカッ！！』

今『...るせえよ...』

鳴子がこっちをじっと見つめてくる。

頼むから今は静かにしてくれ...

頭に響く...