26 実戦あるのみ ページ28
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「…はぁっ……はっ……！」
私は今、全速力で遊園地のテントの中へ駆け込もうとしていた
「ダウンさせるのは心痛いですが、できるだけ優しく叩きますね。」
後ろから聞こえてくるハンターの声にひるみそうになる
「おっ…追いつかれるっ……！」
諦めの文字が頭をよぎった瞬間、私の身体は意図せず何かに引き寄せられた
「Aちゃん、こっちへ。」
ノートンは私の手を引き、ロッカーに私を押し込んだ後、自身も入り静かに扉を閉めた
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「リッパーもそろそろ瞬間移動するはずだ。そのタイミングで治療をしようか…。少し辛いけど、もう少しの辛抱だよ。」
「ありがとうございます。
…ゲームって結構体力使うんですね。」
脚に目をやると軽く痙攣していた
…万年運動不足の私には少し負荷が大きい
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ゲームに参加したいと言ったのは、私だった。
理由は、荘園の皆のことを知りたいからと、私が『ゲームの起爆剤』なら、ゲームに参加すれば何かわかるかもしれないと思ったからだ。
…夢の中で聞いたあの声。
私は、今まで怯えているだけだった。でも荘園の皆が、来て数日しか経たない私を大切に想ってくれているから、自分もアクションを起こしたいと思った。
私は皆の反対を押し切り、ゲームに参加させてもらっている
…だけど
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「辛そうだね。」
ノートンは心配そうに私の顔を見下ろした
「少し…。さっき叩かれちゃったからかな…」
負傷状態で立ちっぱなしだから、足元がおぼつかない
この狭い空間のせいで酸素も薄く、息苦しさもある
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・
「Aさんは、意外に逃げ足が早いですね…。」
私は思わず身体をビクッとさせた
それと同時に、ノートンは私の肩に回した手の拘束を強める
(もしかして、バレた…！？)
ロッカーの前で微動だにしないリッパーへ、私達は絶望の淵へ追いやられた気分だった
「……。」
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だが、しばらくロッカーを見つめた後、リッパーはなにも言わず瞬間移動をし別の場所へ飛んだ
「バレていなかったのか…？」
「た、助かった……」
私達は安堵し大きな息を吐く
「よし、じゃあここから出て治療をしようか。」
安心したのか、ノートンの顔には笑顔が戻る
そして扉を強く押した
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「ん？」
扉はうんともすんとも言わない
次は身体いっぱい使って扉を押してみる
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「…もしかして……」
嫌な予感は的中した
「ごめん、開かないみたい…。」
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ちび(プロフ) - 続きが気になります (1月8日 8時) (
レス) @page45 id: 8dd546cbdc (このIDを非表示/違反報告)
おかさん(プロフ) - 今更ではありますが、更新、楽しみに待ってます… (2022年10月20日 5時) (レス) id: 48fcbe9d4c (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - アリスさん» 作者さんでもないのに横からすいません。その文を見た時にドキッとしてしまいました...確かに私たちが楽しんで読み進めれば主人公はその分酷い目にあう。そんな発想はなかったのでまた違う面白さが見えてきました！ありがとうございます (2019年12月14日 0時) (レス) id: 31f2218efb (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 初コメ失礼します。個人の感想ですが、何かこの作品を読んでいると犯人は私たち読者？と思いました。主人公は刺激を求めて、私たちはドキドキを求めるみたいな。この作品は私たちが楽しめば楽しむ分だけ主人公に色々な出来事が起こると思いました。変な文ですみません。 (2019年9月25日 2時) (レス) id: cf8111877c (このIDを非表示/違反報告)
桃雪 - すごい面白いです.......！ナワーブくんもイライ君も皆、かっこいいです...更新、楽しみにしてます！ (2019年8月21日 16時) (レス) id: 8a17dfcf71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽむちゃん | 作成日時：2019年7月4日 19時
