70.スイッチ ページ24
試合会場に向かうためバスに乗り込んだ一同。
マネージャー達が人数確認をしていると、ふたつ空席があった。
「おかしいな…誰がいないんだろう…」
「…そういえば、恵麻さんは？」
「子文くんもいない…」
Aが名簿とバスに乗っている面々を見比べていると、杏奈とつくしが恵麻と子文がいない事に気がついた。
「仕方ない…呼びに行ってくるね」
Aがふたりを呼びに行こうとバスを降りたその時、全速力でバスに向かってくるエマの姿が見えた。エマより数メートル後ろには、頭が重いのか、あまり速く走れていない子文の姿が見えた。
Aの目の前で止まったエマは息を整えて、乱れた髪型を元に戻しながら言った。
「遅れてすみません…少し仕事をしてまして…」
「…あんまり遅れるのはよくないからね」
「う…すみませんでした…」
Aがバスの車内に入っていくと、エマが落ち込んだ様子でトボトボと車内に入って、Aの隣に座り、子文が乗るとバスが発進した。
バスが出発してしばらく経った頃、崖の近くに差し掛かった。エマは様子を伺うため一星の表情をそっと盗み見る。
エマがすり替えたスイッチを持っていて、微かに体が震えている。
(…あの様子だと…あのスイッチはそうとう危険なシロモノね…ま、なにかあれば妖怪達のチカラを借りることはできるか…)
窓の外を見るとうっすらと妖怪達の姿が見えた。念のために妖怪達をこの地域に呼び出しておいたのだ。
妖怪達の姿を確認して一息ついていると、バスがひときわ激しく揺れた。
その拍子にスイッチが一星の手から転がり落ちる。慌てて回収しようとしたが、たまたま立ち上がっていた剛陣がスイッチを踏んでしまった。顔面蒼白になる一星。
「うわっ！」
その瞬間、エマのすぐそばから灰崎の短い悲鳴が上がった。隣を見ると、大声を出した灰崎が顔をしかめてプレイヤーのボリュームを調整していた。
一星は唖然としながらスイッチを押しては、キョロキョロと周りを見回す。
一方、灰崎は一星がスイッチを押すたびに、ボリュームが上がることに気づいていないようだが、いちいち音量が上がることにイラついていた。
一星と灰崎のこのやりとりは、試合会場に付くまで続いていた。
その間、必死に笑いを堪えていたエマの隣に座っていたAは、ずっとエマが笑っている理由を考えていた。
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加奈子(プロフ) - 星野結花さん» ありがとうございます！ (2019年12月1日 21時) (
レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
星野結花 - この小説すご〜く好きです!これからも頑張って下さい!応援しています(*^_^*) (2019年12月1日 10時) (レス) id: 09968e6ae8 (このIDを非表示/違反報告)
加奈子(プロフ) - りんねさん» 楽しんでいただけて幸いです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
りんね - 妖怪ウォッチもイナズマイレブンも大好きだから見てて楽しいです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: e73a160d29 (このIDを非表示/違反報告)
コロニャん - 返信ありがとうございました！ (2019年6月8日 13時) (レス) id: d3d7c71152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加奈子 | 作成日時：2019年4月4日 19時
