66.風呂掃除 ページ20
選手たちが練習している間、Aとエマは監督にお風呂掃除を頼まれた。
「なるべく早く掃除は済ませてくださいね〜」
とAとエマに掃除道具を渡し、監督はスマホをいじりながらコートに向かっていった。
Aは半ば呆れたようにため息をついて、トボトボとお風呂へと歩いていった。
ブツブツ文句を言うAの後ろを、掃除道具を両手に抱えたエマが後ろをついていく。
お風呂場に着くと、互いに背を向けてデッキブラシで床を磨き始めた。
「ったく…あの監督は…私も杏奈ちゃん達と練習見たかったよぅ…」
「練習に行きたいのは分かりますが、これもマネージャーの務めですから…」
「そういう恵麻ちゃんは
意地悪そうに口角をつり上げたAが、やたらに”愛し”を強調して言った。
それを聞いたエマは小さく息をついて、デッキブラシで床を強く擦りながら、Aに言葉を返す。
「朝食の件ですか」
「そうそう。士郎やタツヤに言われた時には普通だったけど、明日人に言われた時だけ赤くなってたよね…それってなんで？」
Aの言葉に無言で手を止めて天井を見上げたエマは額の一粒の汗を手の甲で拭う。
「…なんて言うか…他の人に言われた時とは違う気持ちになって…」
それって恋だよ！と言いそうになったが、ぐっと堪える。他人から指摘されてもイマイチピンとこない。それが恋愛だ。
黙り込んでひとり考え込んでいると、エマが振り返ってAに問いかけた。
「先輩はどう思います？」
「へ…あ…私もわかんないや」
あはは…と作り笑いを浮かべて誤魔化していると、エマが黙ったままじっとAの瞳を見つめる。
やがてため息をついて再び掃除を始めたエマ。
なんとか誤魔化しきれたようだ。
Aが安心していると、更衣室から声が聞こえてきた。
『いやぁ〜今日の練習も疲れたなぁ…』
『おつかれさまです。剛陣先輩』
明日人達の声がなぜか風呂場の更衣室から聞こえる。顔面蒼白になるA。このままではふたりは覗き扱いになってしまう。
AがあたふたしているとエマがAの手首を掴んで個室のシャワールームに向かって猛ダッシュ‼︎
個室にすばやく入り鍵を閉めた。
「ちょっと恵麻ちゃん…どうするの？」
「しっ！ここはやり過ごしましょう」
静かにするようにAに促した。ふたりはその場をやり過ごすことを決め込んだ。
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加奈子(プロフ) - 星野結花さん» ありがとうございます！ (2019年12月1日 21時) (
レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
星野結花 - この小説すご〜く好きです!これからも頑張って下さい!応援しています(*^_^*) (2019年12月1日 10時) (レス) id: 09968e6ae8 (このIDを非表示/違反報告)
加奈子(プロフ) - りんねさん» 楽しんでいただけて幸いです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
りんね - 妖怪ウォッチもイナズマイレブンも大好きだから見てて楽しいです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: e73a160d29 (このIDを非表示/違反報告)
コロニャん - 返信ありがとうございました！ (2019年6月8日 13時) (レス) id: d3d7c71152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加奈子 | 作成日時：2019年4月4日 19時
