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一月某日 ページ37

一月☆日 天気 晴れ

お雑煮が美味しい。餅を伸ばして食べる。

餅を飲み込むと、伊黒様が俺に話しかけた。


「今日の夜は任務で出るからな。準備をしておけ」
「正月なのに? 無粋にもほどがありますね阿呆かな鬼は……」
「鬼だからな、存在が無粋だ」


それは確かにそう、頷いた。人参を口に運ぶ。お重箱に入れているわけではないが少し用意したお節料理のどれを食べようか吟味した。俺も伊黒様もそこまで食欲旺盛ではないので、二人分がちょっとあるだけのお節。

蜜璃様がいらっしゃればよかったのだが、彼女は家族と過ごされるので、いらっしゃらない。良いことだ。ぜひとも一生家族(未来には伊黒様もそこにいるだろう)と正月を過ごしてほしい。

俺も伊黒様も家族はいない……というか関わりたいと思うような親族はいないので、俺が伊黒様の屋敷で世話になるようになってからはほぼずっと俺、伊黒様、そして鏑丸で正月を過ごしている。まあ、親族とは縁を切ったし(そのために家を燃やしたのだ。理由はそれだけじゃないが)、伊黒様達と一緒にいた方が心休まるし楽しいから不満に思ったことはない。

むしろ贅沢ですらある。めっちゃ幸せ(語彙力)。

黒豆に箸を伸ばす。


「伊黒様が呼ばれたということは、それなりに強い鬼がいるということですよね?」
「そうだな。既に十五人隊士が犠牲になっている」
「十五人」
「その中には『庚』以上も含まれている。街の犠牲者は推定二十人」
「二十人……そんなに」


ならば、下弦程ではないにせよ一般隊士を送ると命を無駄にしてしまうことになるわけだ──強い鬼、なのだろう。身体能力か、血鬼術か。もしくは両方。


「鎹烏いわく、『何かを見て喚いているうちに死んでいる』そうだ」
「『喚くような何か』を見せているということでしょうか。……幻覚?」
「こればっかりは対峙しないとわからん。何せ遭遇した人間は全員死んでいるからな」
「被害が広がる前に殺さないと、ですね。この場合二人いることが有利になるのか否か……」


お雑煮を啜る。うっっま。俺と伊黒様は基本、二人揃うと役割分担や共闘ができるので一人より二人の方が強いし楽。しかし血鬼術の内容にもよる。

〃→←十二月末※本誌匂わせ



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紅葉蓮(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!!あと少しで一旦完結の予定ですので、頑張ります! (2020年6月14日 19時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
二嘉 - いいなコレ。気にいったぜ☆ (2020年6月3日 18時) (レス) id: 5a89568ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!続き読みたいです! (2020年4月27日 21時) (レス) id: 7f11035070 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - うむ。面白い!よもやよもや! (2020年3月4日 8時) (レス) id: 4b674ab2ae (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - 紫呉さん» いやほんとそれですよね…! (2020年2月25日 10時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉蓮 | 作成日時:2019年11月25日 11時

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