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雪かきを終えた。雪はまだまだあるけれど、ある程度の道を確保したので十分だろう、と伊黒様が。そんな伊黒様は隠の方にぜんざいを頼んでいたらしく、道具を片付ける代わりに取ってきていただいている。優しい。

そして倉庫に諸々の道具をしまっている時の蜜璃様とのこそこそ話。


「ねえ……加賀見くん。伊黒さんはすごいわよね……」
「はい……すごい……ですよね……」


語彙力がない。仕方ない、伊黒様は何せかっこいいのである。とってもかっこいい。素敵な殿方だし、正直俺の人生ではもう伊黒様以上に蜜璃様にふさわしく、素晴らしい殿方は会えないと思ってる。蜜璃様の人生はどうかわからないけど。

早いところ蜜璃様と結婚してほしい。お見合いなら仲介するから。え? お見合いなんてしなくてもらぶらぶ……? 知ってる!!!

先に客間についた。蜜璃様の向かいに座り伊黒様を待つ。三人って微妙だよな……と思っていたら呼び鈴が鳴った。誰だ?


「失礼、来たら先に食べていてください。冷めますから」
「わかったわ、気遣いありがとう」


立ち上がり玄関に向かう。廊下さっっむ。


「はい、どちら様で……あ、実弥様」
「よォ、加賀見。伊黒はいるかァ?」
「いらっしゃいますよ。今はぜんざいを用意しています」
「どんな状況だ」


実弥様はお優しい方代表なのだが(子猫を拾うような人)その傷だらけの体や厳しい態度、覚悟から滲む殺気により怖がられている。あと普通に手が早いからな。殴る方面で。

蜜璃様の隊服を作った隠を泣かせた? らしい。紳士故だろう。

まあ怖い人だが、悲しいほどに優しい人だ。腕をぐいっと掴む。


「実弥様も食べましょう、ぜんざい」
「いや用が済んだら帰るわ」
「お好きでしょ、食べましょう。伊黒様のことですから蜜璃様のために多めに用意してるはずです」
「てめぇそんな大人しそうな面で存外ぐいぐい来るよな。なんなんだ」
「食べましょう」
「会話をし──」
「きっと美味しいですよぜんざい。食べましょう」
「人の話を聞けェ!!」


頭をはたかれた。そこまで痛くなかった。優しい。伊黒様に対する遠慮もあるかもしれないけど。

〃→←十二月某日



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紅葉蓮(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!!あと少しで一旦完結の予定ですので、頑張ります! (2020年6月14日 19時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
二嘉 - いいなコレ。気にいったぜ☆ (2020年6月3日 18時) (レス) id: 5a89568ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!続き読みたいです! (2020年4月27日 21時) (レス) id: 7f11035070 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - うむ。面白い!よもやよもや! (2020年3月4日 8時) (レス) id: 4b674ab2ae (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - 紫呉さん» いやほんとそれですよね…! (2020年2月25日 10時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉蓮 | 作成日時:2019年11月25日 11時

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