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七月某日 ページ13

七月△日 天気 快晴

暑くなってきた。勘弁してほしい。夏はやる気と体力をじわじわと削っていく。まあ夜に行動しやすいのだが……。日が落ちるのが遅いので鬼共の活動はさらに限定的になる。これはまあいいことだろう。

とはいえ暑いもんは暑い。

ぐだぐだしていたら伊黒様に道場に引きずられた。道場は閉めきっていることも多いので、熱がこもる。毎度死にそう。伊黒様は暑くないんだろうか……。


「暑いに決まっているだろう」
「ですよね」


鏑丸は道場にいない。変温動物だもんなあ。休憩が始まったら伊黒様が水出しの煎茶をくださった。ありがたいことである。気遣いのできる伊黒様。これはモテる(蜜璃様に)。

……そういえばもう七夕だ。元は中国であったらしいが、それに織姫と彦星の伝説が加わったとかなんとか……知らんけど。

まあ俺にとっては願い事を短冊に書く日である。


「伊黒様。今日の夜は何の菓子を用意しましょうか。笹と短冊も用意しますね。俺の給料で」
「全力で楽しむ姿勢だな。……まあ、悪くはない。お館様も『催しは、できるのならした方がいい』と仰っていた」
「お館様が?」


鬼殺隊の大半は死ぬ。だからこそ、だろうか。死ぬなら死ぬなりに、生を謳歌するべきだ、と。お館様は、仏のような方だ。望む言葉をかけてくださる方だ。お館様がそう仰られるなら、催しは楽しんだ方がいい。


「……人を食わず、太陽を克服し、俺達に味方してくれる鬼がいたらなあ。もう少し死人は少なくなると思うんですが」
「そんな都合のいい存在がいるか。鬼は全員殺すべきだ」
「言うだけただですよ」
「言うだけ無駄だ」


まあ、そうである。無惨との戦いは数百年あるが、記録の中でも『鬼殺隊の味方をする鬼』も『人を食わない鬼』も聞いたことがない。


「休憩は終わりだ。続けるぞ」
「ぴぇん……お茶美味しかったです」
「褒めても稽古はするからな」


でも言葉遣いがちょっと優しかった。





「それじゃ、柔軟しましょ! あら、柔らかくなったわね!」
「風呂上がりの柔軟を欠かさずしているので」


蜜璃様の柔軟力任せだからすっごい痛い。

〃→←六月末



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紅葉蓮(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます!!あと少しで一旦完結の予定ですので、頑張ります! (2020年6月14日 19時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
二嘉 - いいなコレ。気にいったぜ☆ (2020年6月3日 18時) (レス) id: 5a89568ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!続き読みたいです! (2020年4月27日 21時) (レス) id: 7f11035070 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - うむ。面白い!よもやよもや! (2020年3月4日 8時) (レス) id: 4b674ab2ae (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - 紫呉さん» いやほんとそれですよね…! (2020年2月25日 10時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉蓮 | 作成日時:2019年11月25日 11時

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