天使(仮)の人生は平穏無事とはいかない。【オリオンの刻印】 (ページ30)

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29、オリオンの使徒ページ30

前半が終わると、鬼道はすぐに豪炎寺の元へ駆け寄った。

鬼道「大丈夫か、豪炎寺。ダメージは大きいのか？後を引きそうなのか？」

豪炎寺「…おいおい。俺は医者じゃないんだ。怪我の大きさはわからない」

Aは二人の輪に入りはしないが、少し近くで会話だけ聞いていた。

豪炎寺「あの瞬間、何かが光ったんだ。気がついた時には…」

鬼道「敵が反則行為でも行ったというのか」

貴女「…!」

豪炎寺「わからない」

鬼道「それにしてもこの試合、何かおかしい」

豪炎寺「ああ。目に見えない何かがうごめいているようだ」

その会話をそばで聞いていたAも、不思議と納得していた。

鬼道「…豪炎寺。こんなところでお前を失うわけにはいかない。俺はお前と世界に行きたいんだ。お前と、円堂と…」

鬼道の並々ならぬ想いが、Aにもよく伝わってくる。

趙金雲「牙をむいて来ましたね。オリオンの使徒たちが」

ちょうどその時、Aのすぐ近くで趙金雲が意味深に呟いた。

一星「豪炎寺さん、良かったら新しいのと替えて下さい」

一星がベンチに座っている豪炎寺に新しいアイシング用の氷を差し出した。

岩戸「一星くん、気がきくでゴス！」

貴女「本当だね」

岩戸とAはチームに貢献しようと頑張っている様子の一星を見て感心していた。

さっきだって真っ先に豪炎寺さんに肩貸してたし、本当できた子だな。