28、ラストリゾート ページ29
あの時いた5人で防衛ラインを作ると、パスが徐々に繋がっていく。
ボールは豪炎寺へ渡り、「いよいよこの時が来た」と、全速力で走り込んだ。
豪炎寺「ラストリゾート!」
豪炎寺の新必殺技が敵のゴールへ突き刺さった。
これで1-1となったが、灰崎たちは桁違いのシュートの迫力に圧倒されていた。
Aも、開いた口が塞がらなかった。
..
おそらく今の技はあのクラリオと同等の、いやもしかするとそれ以上の威力があったから。
豪炎寺「世界と渡り合うために特訓と研究を重ねてきた。これが俺の、サッカーにおける「回答」だ。」
豪炎寺さん、かっこよすぎっす。
Aもようやくわかった。
クラリオを本気にさせた日本人とは、豪炎寺のことだったんだと。
…クラリオさんが褒めちぎるわけだ。
Aは思わず体がうずいた。
だがその後のことだった。
ペク「いい気になるなよ」
ペクが小さく呟いてすぐに豪炎寺に異変が起きた。
もう一度シュート体制に入ろうとした豪炎寺が急に地面に倒れ込んだ。
豪炎寺は顔を歪めながら痛めた足を抑えていた。
皆一瞬何が起きたか分からなかったが、すぐに豪炎寺の元へ駆け寄った。
神門「ちょっと冷たいですよ」
怪我をした豪炎寺の足にコールドスプレーをかける杏奈。
一星「大丈夫ですか豪炎寺さん!」
一星は豪炎寺に心配そうに声をかけていた。
鬼道が何があったのか尋ねると、目が眩んだのだという。
貴女「え…?」
鬼道「立てるか、豪炎寺」
豪炎寺「…すまないが、試合は続けられそうにない」
鬼道「…そうか」
一星「豪炎寺さん、俺の肩につかまって下さい!」
豪炎寺は一星の肩を借り、ベンチへと退いた。
貴女「…」
唐突な悲劇に、Aはまだ呆然としていた。
杏奈「…A。そろそろ戻らないと」
貴女「…あ、うん…」
それに、おかしな話だと思っていた。
豪炎寺以外、光を見た者などいなかったから。
ふと、韓国側に目をやると、ペクが笑みを浮かべていたのが見えた。
貴女「…まさか…いやでも…」
すると、Aの視線に気づいたペクがさっと顔を逸らした。
ミッションコンプリート。
ペクがそう小さく呟いていたことなど誰にも分からなかった。
141人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紅葉 | 作成日時:2019年5月27日 23時