天使(仮)の人生は平穏無事とはいかない。【オリオンの刻印】 (ページ19)

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18、自分たちのやるべきことページ19

士郎「でも気持ちで負けてたら、勝てるものも勝てなくなるよ」

吹雪のその一言で、みんなの考え方が変わってきた。

風丸「その通りだ。お前たちは世界の実力を見せつけられたくらいで怖気付くのか？」

豪炎寺「クラリオがここに来たのはびびらせる為じゃない。俺たちの本気を試しに来たんだ」

豪炎寺がそう言うと、空気が変わった。

貴女「…本気を試しに…ですか」

もちろん、Aも。

円堂「面白いじゃないか！お前たちはワクワクしないか？胸の奥から込み上げて来ないか？何かこう、すっげー熱いのが！」

円堂は声を弾ませた。

貴女「…します。ワクワクするし、今…すごい燃えてる気がします！」

円堂「だろ⁉」

いち早くその気になったのはAだった。

惨敗したはずなのに、この気持ち。

…私が前からワクワクしていたのも、クラリオさんみたいな人と戦いたかったから。

そして、大好きなサッカーで世界に行きたかったからに決まってた。

その為には、クラリオさんみたいな…いや、それ以上の力をつけないとだよね！

明日人「円堂さん！いえキャプテン！俺も何かワクワクしてきました！」

明日人の胸も高鳴る。

円堂「世界の壁は厚い！目の前に分厚い壁があるなら、それをぶち壊せる大砲になればいいんだ！世界と戦おう！」

円堂が拳を振り上げると、他のメンバーも「おう！」と元気よく返した。

Aにも、もう不安の表情など残っていない。

Aは改めて、今日クラリオと戦うことができて良かったと思った。

自分たちのやるべきことがまた一つ見えてきたから。

明日人たちもそれに気づいたようだ。Aはそんなみんなを見て微笑んだ。

このみんなとなら、いける気がする。そう感じたから。

…とその時、出口の近くに何か布のようなものが落ちているのが見えた。

貴女「…？」

そこへ行って拾ってみると、落ちていたのは綺麗に折りたたまれたハンカチだった。

さっきまで無かったような…

…あ、もしかしてクラリオさんの…？

さっき出て行く時に落としちゃったのかも。

無くて困っているかもしれない。走ればまだ追いつくかな。

そう思いAはすぐにクラリオを追いかけた。