16、戦ってみたい相手 ページ17
19対1という割に合わない対戦をすることになり、それぞれポジションにつき始める。
そこへAに万作が話しかけてきた。
万作「もしかして、お前の戦ってみたい相手って…」
貴女「あ…うん。…まさかこんなところで戦うことになるなんて、思ってもみなかったからびっくり…」
Aはユニフォームに着替えたクラリオを見て、1年前の日本対スペインの親善試合を思い出す。
あの試合を見た時からAは世界のレベルに驚愕していた。
そしていつか自分もあんな人と戦ってみたいと何度も思っていた。
それがまさかこんなすぐに叶うとは。
Aに恐怖のような、武者震いのような震えが襲ってきた。
万作「嬉しい気持ちも分かるが、全力で行くぞ。ここで負けたくないからな。」
貴女「う…うん!」
たしかにこの状況は嬉しいが、Aはわかっていた。
イナズマジャパンは、そして自分自身もまだ世界レベルとは言えないことを。
ホイッスルが鳴るとクラリオはドリブルで攻め上がってきた。
あっという間に灰崎らFW陣を突破してしまった。
貴女「…!」
わかってはいたが、レベルの高さに驚愕した。
Aは両頬を叩き、心を落ち着かせ、仲間たちと共にボールを奪おうと走った。
だがその時、クラリオは急に立ち止まった。
クラリオ「ダイヤモンドレイ」
そのシュートの威力にAを含めた選手たちが次々に吹き飛ばされる。
Aは倒れてしまったがすぐにボールを目で追った。
砂木沼と西蔭も吹き飛ばされてしまい、残りは円堂だけだった。
円堂「今度こそ止めてみせる!」
円堂が手を前に突き出し、技を出した。
円堂「風神雷神!」
1年前は見せなかったその技に、クラリオは「ほう」と声を上げた。
だが、ダイヤモンドレイの威力を止めることはできず、ゴールを許してしまった。
貴女「……」
…言葉にならない。
1年前にもこのシュートの威力に驚かされた。
っていうか、その時よりもっと強い。
こんなに近くで見ることができるなんて。
貴女「やっぱ、すご…」
Aは立ち上がりながら、今のシュートに見入っていた。
クラリオ「少しはレベルが上がったようだな」
クラリオは僅かに微笑んだ。
鬼道「お前の目的は何だ?」
クラリオ「私は日本のサッカーが好きになった
のだ。以前戦って、貴方たちの気持ちの良いサッカーに魅了された。」
貴女「…」
気持ちの良いサッカー…
クラリオ「サッカーとしてはレベルが低かったがな」
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作者名:紅葉 | 作成日時:2019年5月27日 23時