天使(仮)の人生は平穏無事とはいかない。【オリオンの刻印】

15、特別ゲスト ページ16

一夜が明け、A達はグラウンドに集まった。

貴女「明日人、練習しよ！今から力つけていかないと！」

明日人「そうだな！」

Aはボールを持って、やる気を見せた。

灰崎「何だよ、やけに張り切ってんじゃねーか」

近くにいた灰崎が話しかけてきた。

貴女「当たり前じゃない！勝つためだもん！それに…」

氷浦「…戦ってみたい相手が世界にいる、だろ？」

貴女「そう！そんでその人にも勝って、頂上を目指したいから…！」

灰崎「誰だよ、そいつ」

貴女「せ…説明はあと！今はとにかく時間を大切にして練習を…」

その時、趙金雲がグラウンドへ入ってきた。

貴女「……⁉」

Aは思わず目を見開いた。

驚いたのは趙金雲に対してではなく、彼と一緒にグラウンドへ入ってきた人物に対してだった。

趙「今日はみなさんに特別ゲストを紹介しますよ。スペイン代表キャプテン、クラリオ・オーヴァンさんです」

クラリオ「よろしく」

貴女「…！」

趙金雲と共に入ってきたのは、体格の良い男性だった。

その人を前に円堂、豪炎寺、鬼道、風丸は顔をこわばらせた。

元雷門の者たちにとっては、因縁の相手だから。

明日人たちは初めて海外の選手を前にして目を輝かせていた。

そしてAにとってもその男性に見覚えがあった。

Aはあまりの衝撃に思わず持っていたボールを地面に落としてしまった。

氷浦「…A…？」

ボールの音で氷浦は反応し、固まったまま動かないAの顔を覗き込んだ。

そんな氷浦にも気づくことなくAはただクラリオの方に目を向けていた。

万作「…!」

万作はそんなAを見て、何かに気づいたようだった。

趙「ではみなさん、クラリオさんにお手合わせ願いますよ〜！」

Aは趙金雲のその一言でようやく我に返った。

貴女「…えっ⁉」

お手合わせ⁉今から⁉

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