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とある空き訓練所にて、シャオロンとA二人しかいない空間の中。
シャオロンは緊張した面持ちでもじもじとしていた。
sya「お、俺さ……!」
『……うん』
sya「お前のこと……」
第一番隊の隊員であるAはいま、第二番隊の隊長であるシャオロンの前に立っている。
その顔はひどく緊張していているが、目の前のシャオロンはそれに気づいていない。
───いよいよ言われるのか。ぎゅっと拳を握りしめると、Aの視界の端になにかが映った。
sya「す───」
shp「あ、シャオロンさん!ゾムさんが呼んでるで〜」
sya「す……」
シャオロンは力なくぐったりうなだれると、勢いよくショッピのほうを振り返った。
sya「……お前なぁ!!」
叫ばれたショッピは、訳も分からなそうに目をぱちぱちしている。
shp「あれ、なんか邪魔した?俺」
sya「すっっっっっげー邪魔したわお前!!ゾムが呼んでるって?行くぞ!」
shp「いや俺は行かんけど。っていうか、こんなところで何を……」
sya「ええから来いやオラ!」
shp「え、なんでシャオさんこんな怒ってんの?A助けて」
『ははは……なんででしょう』
同じ第一番隊の副隊長であるショッピの言葉に、Aは苦笑いを浮かべる。
分からない、なんて嘘だ。分からないふりをしているのは、身の安全を守るための言い訳にすぎない。
「助けてーっ」とまだAに言うショッピを引きずっていくシャオロンの後ろ姿を見つつ、Aは人知れずふぅ、とため息を吐いた。
シャオロンはAのことが好きで告白しようとしている。
……そしてAはそれを知っていて、なおかつ断るつもりでいる。
『(なのに……)』
なぜか、毎回奇跡的なトラブルが発生して決定的な告白の言葉を聞けないでいる。
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詩音(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2022年9月18日 8時) (レス) @page24 id: 44cf22d412 (このIDを非表示/違反報告)
インク - 面白かったです!完結おめでとうございます! (2022年9月17日 19時) (レス) @page24 id: a2f12395c4 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - めっちゃ好きです…。これからも更新頑張ってください! (2022年9月4日 19時) (レス) @page10 id: 44cf22d412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:REO | 作成日時:2022年9月4日 18時