キミガシヌ運命

31話 人形 ページ34

A視点

サラ「ソウさん…！無事だったんですね…！」
ソウ「それはこっちのセリフだよ。…よかった、みんな無事で。」
ミシマ「ドキドキしますねぇ…一体何が起こるのでしょうか…」
レコ「一応ドアは上げたままにしておくからな。」
A「逃げ道はバッチリ確保、ってね。」

ケイジさんは置かれた人形の胴体に、手際よくパーツを取り付けていく。
右手…左手…右足…左足…
そして…頭。
ん？何も起こらない…

Qタロウ「…待て、何か匂わないか？」
ナオ「…え…!?」
ジョー「なあ…周りが白くなって来てないか!?」
ケイジ「ガスだ…！」
ソウ「ど…毒…!?まずいよ…部屋を出なきゃ…！」

毒ガス…!?
毒ガスを撒かれているというのに頭は意外と冷静で、俺は直ぐに口元を抑えた。
しかし、あっという間に部屋を真っ白なガスが覆いつくした。
周りが見えない…！まずい…！

死ぬ…！

そんなことが頭をよぎった瞬間、前方から女の人の声が聞こえた。

？？？「皆さん、毒ガスなんかじゃないから安心してくださいね。
あはは、こんにちは。」

何コイツ、頭から蜂蜜でもかぶったの？
ちょっと面白いな。

ジョー「は…はぁ!?お…お前…

人形じゃないか!!」

言われてみれば…！いやまぁさすがに気づいてたけど。
これで人形以外が来たら怖いわ。意味わからんし。

人形「ふふふ…そう、あなた方がたった今救ってくれた人形です。
高性能でしょう？」
レコ「はああぁ!?どうなってんだ、これ!?」
人形「あはは。どうなってるも何も、これから続く試練の道のりを
サポートするために、私は蘇ったのです。」
レコ「近寄んじゃねぇー！気味が悪ぃ!!」
人形「えへへ。怯えることはないんですよ？私は皆様のサポートを…」
ナオ「あ…うう…ううう…」

みんな話し聞いてあげて？気持ちはわかるけど焦りすぎでしょ。
レコちゃんはうるさいし、ナオちゃんは怯えすぎだし…
そこまで怖がることもないでしょうに…

人形「あはは…はぁ…誰か冷静にお話できる方はいませんかね…」

ほらぁ、人形ちゃんちょっとイラついちゃってんじゃん。
てか、人形なのに感情はちゃんとあるのな。

これから続く試練の道のり…？
いや今更かもしれんけどそこが引っかかるな…これからまだなにかあるのか？
…また誰かを失うのは、イヤだな。

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