25話 優しいウソ ページ27
A視点
カンナ「…カンナは…お姉ちゃんを、救えたんですか？」
さっき倒れてた子…木津地神奈ちゃん、だっけ？
中学生で…俺と同じく、最初の試練で大事な人を亡くした子。
サラ「………」
ジョー「か、カンナ…いいか…よく聞け…」
ジョーが何かを話そうとした、その時だった。
ミシマ先生がこっちへ来た。
ミシマ「おやおや、カンナさん。レコさん達が探してましたよ？」
カンナ「…あ……」
ミシマ「会話が聞こえていたので、来てしまいました。」
カンナ「………ミシマさん…」
ミシマ「……」
これ…どうやって誤魔化したらいいんだろうね…ミシマ先生なら、解るのかな。
カンナ「教えてください…私は…」
ミシマ「…カンナさんは、不運でした。」
カンナ「え…？」
ミシマ「…あの時、ひとつのカギしかなかった我々は…
力ずくでもう一つの拘束を解くしかなかったのです。」
…カンナちゃんを守るためのウソ。優しく、暖かい…そんなウソ。
でも、そのウソで…俺の心はズキリと痛んだ。
カンナ「…！」
ミシマ「…幸い、ナオさんには私が、サラさんにはジョーくんが、いました。
男性の力を持ってして、ギリギリで解除できたんです。」
カンナ「…そ…そんな…！ウソです…そんなの…！」
ジョー「う…ウソじゃねー！カンナ、これは本当のことだ！」
ミシマ「状況判断と…力の試練…と言った所でしょうか…
姉妹である…カンナさん達には…ほぼ勝ち目の無い試練だったのですよ。」
カンナ「し…信じない！そんなの！みんな私を騙そうとして…」
みんなして、優しいウソをペラペラと…
俺も、そんな風に…優しく、暖かいウソを吐いてくれる人がいたら、救われたのかな。
少しだけ…カンナちゃんが…羨ましいや。
サラ「本当だ、カンナ。」
カンナ「サラ…さん…」
サラ「う…ウソに聞こえても…事実は変えられない…みんな真実を…話している…」
カンナ「ですが…その方は…！」
A「ん？あぁ、僕？
…僕と親友の子、すごい非力でさ…ほんと、女の子と同じくらい力がなくて。」
笑顔で、詰まらずスラスラとウソが出てくる自分に、少しだけ嫌悪感が芽生える。
でも、そんなのは無視して。今はカンナちゃんを救うのが先。
カンナちゃん、頑張れ。乗り越えろ。中学生には酷かもしれないけど…
お姉ちゃんの死を、乗り越えて…前に進むんだ。
…頑張れ。
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もみじ(プロフ) - コメントありがとうございます！最初に親友殺したのをこれでもかってくらいに後悔してます(´･ω･`) (2021年10月6日 22時) (
レス) @page1 id: 3db76492db (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりぃむとちょこれぃと - 綾瀬くん…！幸せになって…！ (2021年10月6日 22時) (レス) id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もみじ | 作成日時：2021年9月5日 22時
