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Side Taiga
「ジェシー、Happy Birthday！」
俺と慎太郎の手から鳴らされたクラッカーが座っているジェシーに降りかかる。
「AHAHA！Thank you！」
「ほんとありがとう。」
本当に嬉しいそうだ。
でもさ、俺らだけに
祝って欲しいわけじゃないだろ？
せっかくならさ…
「ジェシー、誕生日、何が欲しい？」
「え？別に何もいらないって。2人が祝ってくれただけで嬉しいよ。」
「そんなことないでしょ！ジェシー！」
慎太郎がジェシーに少し怒りながら言う。
俺も慎太郎と同意見だ。
「…そりゃあ、せっかくなら5人でさ、祝いたいけど。」
「よし！じゃあ、待ってて！」
「え！なになになに！」
大きな音でも鳴ると思っているのか、
耳を塞いでいる主役を置いて、俺は自分の部屋にあるパソコンを開き、歩きながら電話を繋ぐ。
ある人に繋がっているパソコンの画面を、ジェシーに見せる。
「「ジェシー、お誕生日おめでとう。」」
「え、マミーじゃん！パピーも！久しぶりー！」
俺ら3人の中で唯一、
両親にフランクに話すジェシー。
手が音をブンブンと立つように振る。
ここ最近ではみないくらいの笑顔だ。
「ごめんね、帰れなくて。来週には帰るから。またその時ちゃんと祝おうね。」
「ジェシーが好きなケーキ買いに行こうな。」
「うん！待ってる！」
・
・
・
実は昨日、両親たちに電話をした。
俺が気になっていること…違和感を感じていること、しっかり確かめたいと思ったから。
「もしもし。」
「大我？珍しいね、どうかした？」
「あ、いや。ちょっと気になったことがありまして…」
どうしてもまだ、かしこまってしまう。
心が開けてないのは、
俺なんだろうけど。
この違和感をスッキリさせたいんだ。
「どうしたの？」
「明日、ジェシーの誕生日です。去年も今年も、お祝いがないのはやっぱりおかしいと思って。」
「…俺たちのこと、本当の息子だと思って、接してくれてますか…？」
不安なことは自分で確かめなくてはいけない、そう思ったから。いい機会だし。
「…ごめんね。不安にさせて。」
「私も、もっとしっかり話さないといけなかったわ…3人のこと本当に引き取って良かったと思ってる。」
「子供に恵まれない私たちでも、子供を育てられることができる制度を知って。」
「すぐにそれをしようと思った。でも実際、親としてどんなことしたらいいかわかんなくて。」
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作者名：Moku | 作成日時：2020年5月23日 8時
