俺らまだ原石 garnet 【1】 (ページ22)

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2人を乗せた救急車が、病院に入ってくる。

北斗の電話に着信がおばあちゃんからあった。
多分、近所の人が教えたんだろう。

お孫さんの家に救急車が来てるよ、と。

その着信を救急隊の人がとって、呼んだのであろう
彼らのおばあちゃんが先に病院に着いていた。

「おそらく、時間的にも胃洗浄が1番いいと思います。」

胃洗浄をするには
家族の了承がないといけない。

一緒に同行してきた弟も
緊張が解けたからか意識を失ってしまって

おばあちゃんが来てくれて良かった。
心底救命医は思った。

「お願いします。大我を助けてください。」

おばあちゃんだって、怖かった。

つい先日、
大切な娘を失ったばかりだったから。

彼女は、もっと頻繁に様子を見に行けば良かった。
そう後悔する。

大我の意識はなかった。

そんな彼に長くて太いチューブが、
彼の口に入れられていく。

苦しそう。

普通の人だったらそう思うけど、
救命医の人は淡々と行っていく。

彼らはこの処置に慣れているだろう。

慣れてる、なんてそんなこと言ったらおかしいかもしれないが、大我のように薬を大量飲んで運ばれてくる患者は少なくないのだ。

そして、大我が胃洗浄を受けているとなりでも、
もう1人、処置を受けている人がいた。

おばあちゃんが話している。

「…北斗はあまり体が強い方じゃなくてね、疲れがたまってたのかもしれない…」

兄だって、弟だって、限界だった。

※実際にはわかりません。作者医療知識ないので、想像です。ODの時は了承がなくても胃洗浄する場合があるそうです。