【ヤンキーパロ】BOY FRIEND 【中原中也】

BOY─21 ページ22

寝るとき──如何しても中也の隣にいたくて、私は中也に頼んで隣に寝させて貰うことにした。

中也愛用のシングルベッドは、高校生の私達二人じゃ、ぎゅうぎゅうになってしまったけれど、それでも良い。

貴方の温かみを感じられたなら──

眠りにつく前、私と中也は向かい合わせになって色んな話をした。

今日の学校の話、仲間の話、そして家族のこと。

｢俺は高校生になった瞬間、親戚に突然“家を出て行け”と言われたンだ。その時は本当に悲しかった、今までこンな俺を育てて貰ったのにな……｣

中也が生まれて間もない頃、両親は理由は分からないが突然家を出て行き、直ぐに母方の親戚に引き取られたらしい。

親戚の一人は、中也が義務教育が終わる中学まで育ててくれたらしいが、高校生になった瞬間“家を出て欲しい”と言われたのだ。

｢ショックだったけど、しょうが無いよな……俺は実際、両親に捨てられたのと同然だし、俺のこと煩わしかったンだろうな。｣

『そんなことないよ、中也はいつも私に新しい世界を見せてくれる……だから……自分のことを“煩わしい”なんて言わないで……』

私の言葉に何か思ったのか、中也は私の冷たい手を握りながら“ありがとう”と言った。

そして続けて“A、好きだ”と言われた。

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