memory#5 ページ6
「中也さん、おはようございます!!」
「おう、立原。おはよ」
“早寝早起き朝ご飯の習慣は大切だ”と、小学生の頃から散々言われ続けてきたが、未だに俺は朝に弱い。
授業中は、ポカポカとした今の席のせいで、うとうととしちまって、先生に怒られるし………散々だ。
隣にいる立原は、なんともない顔で俺に話し掛けてくるけれども。
あ、立原っていうのは、先刻俺に“おはようございます”と、丁寧に挨拶してきたやつのことで、俺と同学年なのに、何故か敬語。
理由は不明だが、俺は気にしないでいる。
「今日は、何処で練習をするンですか?流石に外は嫌ですよ………他の奴等が見てるので。」
「いーや、俺は外で歌いたいンだ。他の奴等が見ても見てなくても関係ねェよ。」
そう、俺は人がいてもいなくても関係ない。歌えるのなら。
「でも………あ、あの人………昨日、中也さんと話していた人じゃ………」
すると、立原は一瞬目を違う方向へと向けて俺に言った。
「ん?あ、本当だ。昨日は暗くてよく見えなかったが、ネクタイの色が同じだから………俺と同学年か。」
立原が言っていた奴は、昨日俺らが練習を開始しようとした時に、絵を描いていた紙が空に向かって舞っていて。
そンで、たまたま俺の元にも飛んできたので、拾ったらそりゃァ、綺麗な絵で吃驚した。
しかも、その綺麗な絵を描いていたのは俺と同学年の奴だったとはな………
「なぁ、立原。先刻俺とすれ違った女子の名前を知っているか?」
「知らないです。」
そりゃそうだよな。
第一クラスも違うし、接点なんて殆ど無い。
気になるのは気になるけど、俺から歩み寄らないといけねェのかな………
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作者名:もえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/
作成日時:2019年1月1日 21時