今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:27,043 hit
小|中|大
memory#2 ページ3
一ヶ月前、私は校内で素敵な人に出会った。
“出会った”と言っても、まだ喋ったことはない。
でも、その人は日が暮れた18時台に下駄箱の蛍光灯が付けられている所で一人、歌を歌っていて。
不思議なことに、蛍光灯はその人を宝石の様に輝かせていた。
16年間、こうして平凡に生きている中でこんなに美しい光景は見たことが無い。
思わず私は、その場でバッグからスケッチブックと鉛筆を取り出してしまった。
私がいた場所からは、彼の横顔しか見えない。
だが、それで良いのだ。少しでも、彼の顔さえ描けれたら…………
「中也さーん、何処に行ってたンですか。もう帰りますよー」
「おう。悪ィ、悪ィ」
人が来たので、私は直ぐに柱の所で隠れた。
こんなこと、普通の人から見たら“ストーカー”か“変質者”に見える。
『彼の名前………“中也”って言うんだ………』
小声で彼の名前を呟いた後、微かに優しいラベンダーの香りがした気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
64人がお気に入り
64人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/
作成日時:2019年1月1日 21時