memory#15 ページ16
私に“大変よく言えました”と言った後、中也君は私の筆箱を取って、その場でアカペラで歌い出した。
不思議な感じ………彼が歌い出すと、マイク代わりの筆箱は本物に見えてくるし、蛍光灯はまるでスポットライトみたい……
「君をずっと追い掛けている………気付いてよ、My princess___」
その切ない歌詞は、誰かに向けて歌っているよう。
中也君のこの声が、今日一日脳内ループしていた。
*♡*
「貴方はいつもいつもそう言って、家に帰らないじゃない!!」
「それは君もだろ?!いい加減、俺が浮気相手と密会しているとか思っているのをやめてくれないか?」
今日も今日とて家に帰ると、母と父が久し振りに大喧嘩をしている。
前にも何処かで言ったとおり、私の両親には互いに浮気相手がいる。
しかも、秘密の。
何故私が、両方に浮気相手がいるのを知っているのかと言うと、前に母と父両方から聞かされたのだ。
まぁ、顔を合わせたら喧嘩なんて珍しいことじゃないから、私は溜息を一つ吐いてから自室に籠もった。
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作者名:もえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/
作成日時:2019年1月1日 21時