検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:27,047 hit

memory#14 ページ15

「彼奴……上手いこと、引っ掛かりやがったな。」

掃除ロッカーから顔を出し、私以外誰もいないことを確認してから出てきた中也君。

ふとした瞬間に、彼が身に付けているラベンダーの匂いがふわっと香る。

矢っ張り、近くで見ても彼の横顔は迚も綺麗だ。

「さあて、此からどーすっかな……今日は、手前に会いに行く為に、部活を途中で抜け出してきたしな………」

勝手な私の推測だが……もしかしてその“あること”とは、先程中也君が言っていた“私に会いに美術室まで来たから”だろうか?

もし本当にそうならば嬉しいし、例えそうじゃなくたとしても私は………

『あの……』

「ん、何だ?」

『ここに、少しの時間だけでも良いからいませんか?』

思い切ったことを言った私。

“いや、彼奴に悪いから部室に帰るわ”って言われるかな……

「じゃあ、お言葉に甘えてそうさせてもらうわ」

中也君は続けて、“その代わり、手前は俺と喋る時は敬語じゃなくてタメで話せよ?”と、悪戯っぽく笑いながら言った。

彼曰く、“お互い友達のはずなのに、敬語って……“と思ったらしい。

突然、彼と敬語なしで話すのは、私にとっては少し気が引いたから“それは無理です“と言ったら、今度は“もし、敬語なしで喋れたら俺の生歌をプレゼントするぞ“と、私を誘惑させる。

『それはずるい!!』
 
声を張り上げて言ったら、中也君がニコッと笑いながら“たいへんよく言えました“と、私の頭を撫でながら言った。

memory#15→←memory#13



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
64人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/  
作成日時:2019年1月1日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。