memory#12 ページ13
昨日、母が浮気相手らしき人と大声で電話をしていたせいで、よく眠れなかった。
そのせいか、今日の音楽の授業は先生が歌うだけでも眠く、気付いたら授業が終わっていた。
教室に帰ろうと、教科書を持ったとき、音楽の先生が“佐倉さん、貴方今日1時間寝てたでしょ。駄目じゃないの”と、言われた。
私は先生に“すいません、次からは気を付けます”と、反省の色が見えない謝罪をしながらも、心の中では“その文句は、お母さんに言ってよ”と、やや反抗的なことを思っていた。
だから、今日の私は頗る機嫌が悪い。
絵は思い通りに描けないし、春坂先生はどっかに行ってしまうし………
勝手にこんなことを思っていると、廊下からバタバタと騒がしい足音が響いてきた。
−その足音が向かう先はどこだろう?
絵の具チューブの蓋を開けながら、ふとそう思った。
もしかしたら、学校内ではお札付きのヤンキーかが、誰か先生を怒らせたとかだったりして。
気付けば、あの騒がしい足音は私が今いる美術室の所まで近づいてきた。
「やべっ!!このままだと、また怒られちまう……とにかく、一時的に失礼しまーす!!……って、佐倉か!!」
『中也君!?』
あの、騒がしい足音の正体はまさかの彼だった。
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作者名:もえ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mokomokohi4/
作成日時:2019年1月1日 21時