検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:2,544 hit

3 ページ3

.





突き出した私の手に及川が乗せたのは、自分の手ではなく、ポケットに入っていたカイロだった。


確かにあったかい、けど。




「(……寒い、)」




手、繋ぎたかったのに。


じろりと再度睨みあげれば、「なに、カイロいらないの?」わざとらしく笑う及川。




「いる」

「バス来たら返してね、俺だって寒いんだから!」

「部活したんだからいいじゃん」

「よくないよ」




さみい、と及川がマフラーに顔をうずめ、ポケットに手を突っ込む。


手、繋いだらあったかいのに。


そう言ったって、及川はへらりと笑って「そうね〜」とはぐらかすだけだろう。



あったかいけど、寒いや。




「ねえ及川」

「ん?」

「……なんでもない、」




「なんだよ」と及川が笑う。


……「好きだよ」って言ったら、困った顔で笑うだけのくせに。


その言葉は飲み込んで、代わりにどうでもいい話題をはきだした。




「春高、どう?」

「どう、ってなに。勝つに決まってんじゃん」

「ウチの方が強いから勝つよ」

「は〜〜〜〜??????生意気!!くそ生意気!!今年は絶対青城が勝つからな!?」




キャンキャン、及川が吠える。……親戚の家で飼ってるポメラニアン、こんな感じだったなあ。


ぼんやりとそんなことを考えていると、




「あ、バス来た」





.

4→←2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
13人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 及川徹   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年4月26日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。