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どうも、花巻です。皆さんご存知青葉城西高校バレー部の花巻貴大です。
積もった雪も溶け始め、東北にも春の足音が聞こえてきました。
そしてこれまた皆さんご存知の通り、うちの部活は毎週月曜日はオフだから嬉々として帰宅してたわけですよ。久しぶりにSwitchでスマブラでもしようかと考えていたんですよ。
そんなルンルン気分のまま、ふと帰宅路にある公園に背を向けたら、一際高い木に女子高生が登っていた。
もう1度言う。女子高生が、木に登っていた。
……おいおいおいおい。
ふう、と1度深呼吸をする。おいおいTAKAHIRO、お前の目は正常か？ちゃんと仕事しろ。
そして再度同じ木に目を向ける。が、その女はさらに高い枝に足をかけようとしていた。
｢お、お姉ちゃん、危ないよ｣
気のふもとには小さい女の子が心配そうに女子高生を見上げている。姉妹か？それにしてもなんであの女は木なんかに登ってんだよ。
つーか、
｢(……これは、声をかけた方がいいのか……？)｣
一旦腕を組んで考え込む。関わったら明らかに面倒くさそうだ。そして今日は俺の貴重なオフ。時間は無駄にしたくない。が、
ちらりと少女を見る。今にも泣きそうな顔をして姉を見つめていた。
あぁくそ！
｢……あの、大丈夫っすか｣
背後から声をかけると、少女は｢ひっ！｣小さく悲鳴をあげた。おいコラ｢ひっ！｣って何だ。確かに俺は目つき悪いが。こんなことになるなら及川連れてくりゃよかった。
と、少女はワンピースの裾をぎゅっと握りしめながら｢た、タマが、｣涙を滲ませた声で呟いた。
｢タマ？｣
｢タマが、お家から出ちゃって、木の上から降りられなくなっちゃったの、タマって呼んでもダメで、どうしようって思ってたら、お姉ちゃんが来て、助けてくれるって言ったから、｣
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作者名：彗 | 作成日時：2019年4月26日 13時
