この世界とメメント・モリ［ほんばし様リクエスト］ ページ30
(こちらは、ほんばし様の『メメント・モリ』とのコラボになります)
小泉A十八歳、武装探偵社所属の異能力者である。
自分で云うのも変な話だが、普段の仕事ぶりは真面目だと思う。
そう、普段の、仕事ぶりは。
「あ…っと」
たまに、ほんのちょっと、稀に力加減を間違える時を除いては。
「やってしまった…」
地面に倒れる、依頼により捕らえた異能者。
少し厄介な異能を持っている為に、異能操作の異能を持つAが確保に向かったのだが、
路地裏で捕まえる時、暴れまわる犯人を押さえ、振り回された手が、
ガッ
Aの顔面に当たった。
ピッと赤い血が宙に舞う。
この場に探偵社員がいたら、静かに手を合わせているだろう。
「…」
ゆっくりとした動作で、Aの指先が唇に触れる。
ぬるりとした液体は血だった。
「…あ？」
美しいはずの声が、地を這うような低い音を奏でた。
異能者は悲鳴を上げ、もがく。
「…チッ」
グイッ、と口の隅から流れる血を拭う。
顔に怪我なんてしたら、探偵社に帰った後どうなるか。
Aは、グッと己の手を握った。
「歯ァ食いしばれ」
刹那、男の顔面を強すぎる拳が襲った。
未成年で、女性の中でも細い部類に入るAの一発は本来威力は無いのだが、
父親直伝の武術によりその威力は探偵社の男性陣にも引けを取らない。
パァン！！
それを、まともに正面から受けたらどうなるか。
答えは簡単、失神である。
「…あ」
男が完全に失神してから、Aはハッとした。
やってしまった、思い切りぶん殴ってしまった。
しかもわりと本気で。
「あー…」
鼻血を流して倒れる男を見下ろし、数秒考える。
幸いここは路地裏、人目はない。
「…袋にでも入れて運ぶか」
「なにを？」
男の胸ぐらを掴んで起き上がらせようとしたAの体が固まる。
油が切れたブリキのように後ろを向くと、そこには女性がいた。
巫女のような髪型をした、見惚れるほど美しい人。
「…」
その人の目が、ゆっくりとAの手元にいく。
ハッとしたような顔のあと、数歩後ろに下がられたのは気のせいではないだろう。
「…違う」
「…はんにんは、みんなそういう」
第三者から見ても、この光景はAが犯人であった。
この世は非情である。
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シア - 続き楽しみにしてます！！ (1月4日 15時) (
レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます！最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします！！これからもがんばってください！！！更新再開待ってます！！ (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです！続きまってます！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年10月13日 19時
