＊ ページ29
映像を見ていた者達が軒並み失神した。
内容は伏せさせてもらう、福沢から許可がおりなかった。
「屍みたい…」
「A」
「すみません」
福沢に窘められ、素直に謝る。
彼は武人である故、気絶はしなかった。
森も気絶はしなかった、かろうじて。
「組合は全滅か…」
「嘆かわしいです」
「心にもない事云うのね！！」
エリスがぷんぷん怒りながらポカポカ殴ってきた。
いや、嘆かわしいとは思っている。
怖い話程度で気絶して可哀想だなと。
「Aはそんな怖い体験してるのになんで正気なの？」
「もうちょっと言葉のトゲを取って」
エリスの発言にAは口元が引きつるのを感じた。
この幼女、発言に容赦がない。
「幽霊と、部屋に勝手に侵入して包丁振り回す生身の人間、どちらの方が怖いと思う？」
福沢と森が静かに目を逸らした。
エリスが「修羅場だわ」と呟く。
「ちなみに、その、包丁振り回す生身の人間って…」
「太宰さんの元カノです」
「た、対応はどうしたんだい？」
「平手打ちして窓から投げ捨てました」
森が声にならない悲鳴をあげた。
さっきの心霊映像より怖い。
ガチャ
ふと、閉じられていた部屋に扉が現れる。
全員がAの体験した怖い話を見た為、扉が開いたようだ。
「…ねぇA一ついいかしら？」
気絶した敦をどう持ち上げようか悩んでいるAに、エリスが問いかける。
「幽霊ホイホイみたいにお化けばっかり惹きつけるのに、なんで貴女は無事なの？」
エリスがそう云った瞬間、Aの背後で女性が微笑む。
白い着物を着た、Aによく似た女性が唇に指を当ててエリス達にしか聞こえない声で囁く。
「秘密ですよ」
Aは気づいていない。
どんな危ない目にあっても、自分が無事である理由に。
「どうかしました？」
「…いや」
「過保護だなと思っただけだよ」
福沢と森は、かつての友人の幻影に笑みを溢す。
エリスも、「ホントね！」と笑うのだった。
「…ひっ、ゆうれ、幽霊…」
ちなみに、目を覚ました瞬間に、
バッチリその光景を見てしまった立原は再び意識を失った。
その後しばらく、映像を見た者達は暗闇に怯えたそうだ。
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シア - 続き楽しみにしてます！！ (1月4日 15時) (
レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます！最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします！！これからもがんばってください！！！更新再開待ってます！！ (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです！続きまってます！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年10月13日 19時
