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グスグスと泣きながら謝ったり、ありがとうと云ったりする鏡花をじっと見つめる。
目の前に現れないことがこの子の為だと思ったが、逆効果だったらしい。
「…鏡花、探偵社は居心地がいい？」
コクリと頷く小さな頭。
「人虎とはうまくやれそう？」
また頷く。
「…自分を大切にできる？」
「…うん」
「…そう、それなら私はもうなにも心配することは無い」
マフィアにいた時の鏡花は、まるで生きる屍だった。
だが今は違う、ちゃんと生きている、生きる希望を持っている。
「一つだけ云っておく…私はマフィアが案外気に入っているから大丈夫。
…日の当たるところで幸せになって」
「…ッ、うん…ありがとう…！」
これが本当に最後だ。
泣きながら抱きついてきた鏡花を、そっと抱きしめ返す。
これが終われば探偵社とマフィア、世界は完全に分かれる。
『さようなら、もう戻ってきちゃ駄目だよ』
これからの世界が貴女にとって優しい世界でありますように。
「…じゃあ、体に気をつけて」
「…うん」
そっと離れた鏡花は、涙をこらえるように手を振った。
Aも手を振り、暗い闇に消えていく。
これで本当に終わりだと、云い聞かせて。
「湯豆府！！」
「！？」
突如後ろから聞こえた大声にAはもう振り返らないと決めたのに後ろを向いてしまう。
「また！食べに連れて行って！！」
「…はは」
ここまで大声で頼まれては断れない。
「勿論！！」
この時ばかりは、甘いなと思ってもやめられなかった。
「…可愛い妹分との逢瀬は終わったか？」
夜道で突如聞こえる聴き慣れた声。
鏡花とお別れをしたAは、ジロリと睨むようにその人物を見た。
「おーおー、悪かったって、睨むなよ」
「いきなり人を電柱に磔にする人がいますか。
しかも異能を使って、貴方で無ければ殴ってましたよ」
「姐さんに頼まれたんだよ、強情な妹分を居なくなった子にあわせてやれって」
紅葉は知っていたのだ、Aがあえて鏡花に会わなかった理由を。
だから強引に会わせたのだ、全ては妹達の為に。
「紅葉様…」
「手前が姐様とでも呼べば喜ぶんじゃねぇか？」
「却下で」
浮かんだ涙を拭うように、二人は闇に歩いていく。
そこが己の生きる場所だと信じて。
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シア - 続き楽しみにしてます！！ (1月4日 15時) (
レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます！最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします！！これからもがんばってください！！！更新再開待ってます！！ (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです！続きまってます！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年10月13日 19時
