＊ ページ17
鏡花の過去が、隠された真実が知らされた。
入社祝いと書かれ、彼女の手元に贈られたのだ。
ーだが彼女は居ない、会いにきてもくれないー
藤色の着物の姉貴分だけはいくら探しても見つからなかった。
だが乱歩はまるで全て知っているかのように、
『いつか有り得ない方法で逢いにくるんじゃない？』
と云っていた。
逢えるなら逢いたい、だがあり得ない方法とはなんだろう。
「ッ！？」
鏡花はその日初めて、人が本当に驚くと叫び声はあまり出ないのだと云うことを知った。
仕事を終えて帰ろうとした夜道、何故か上の方から気配を感じて電柱を見上げた。
そこには、
「…こ、んばんは…」
「…こんばんは」
若干不機嫌そうなAがまるで背中に磁石でもついているように電柱に磔になっていた。
ゲームのバグのような光景に、鏡花は咄嗟に戸惑ってしまう。
「取り敢えず…元凶が遠くに行ったからおろすの手伝って」
その後、夜叉白雪によって漸く地上におりれたAは暫くこれをやったであろう犯人の名前を呟きながら怒っていた。
「…無事で、良かった」
「…逢いにくるつもりは無かった」
どうして、そう口にする前にAの手が、鏡花の頭を撫でていた。
「だって、私に罪悪感抱いてるでしょう？」
「…ごめんなさい、私だけ光の当たるところに来てしまって」
「違う、責めてるんじゃなくて」
Aが鏡花の前にしゃがんだ。
着物と同じ色の美しい紫の瞳だった。
「私は私の意思でここに残ってる。
それに、私が逢いに行ったら鏡花の足枷になると思って。
私はマフィア時代の嫌な記憶を思い出させてしまうものでしか無いし…」
「ッ、そんな事ない！！」
Aが驚いたように目を見開く。
「そんな事ない、そんな事ない！！
貴女は優しかった、温かかった！足枷なんかじゃない！
だって…ずっと守ってくれてた…あの人と一緒に」
紅葉と一緒に、不器用ながら守ってくれていた。
鏡花の両眼からポロポロと涙がこぼれ落ちた。
「だから…そんな風に云わないで…」
「…うん」
「ありがとう…ずっと、側にいてくれて」
「…うん」
一つ一つ、確かめるように言葉を紡いでいく。
Aはそれを、静かに聞いているだけだった。
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シア - 続き楽しみにしてます！！ (1月4日 15時) (
レス) @page50 id: 5afea0a2a0 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - もこすけさんが戻って来てくれたら嬉しいです‼‼‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
巫女 - この作品はとても面白くて大好きです‼‼‼‼特に猟犬との絡みが見ててとても面白くて楽しいです‼‼‼‼文章力がとても高いので作品に引き込まれます！最近はこの作品をモチベーションにして頑張っています‼‼ (8月2日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
絵の具セット - 番外編もめちゃくちゃ面白いしキュンキュンします！！これからもがんばってください！！！更新再開待ってます！！ (2023年4月10日 20時) (レス) id: b2c10b1855 (このIDを非表示/違反報告)
アスパラ - とっても面白かったです！続きまってます！ (2023年4月8日 22時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年10月13日 19時
