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血を摂取した為か、Aの顔色が良くなった。
そして一つ判ったことがある。
「どうやら、血ならなんでもいい訳じゃなく、
出したての、それも特定の人間の血じゃないといけないらしい」
カルテを持った与謝野が、不安になって見にきた社員たちに説明した。
Aは、仄かに赤い頬のまま頷く。
「太宰の血を摂取した後、試しに谷崎の血をちょっと飲ませてみた」
「…輸血パックよりは美味しかったです」
「次に敦のを飲ませた」
「谷崎さんより美味しかった」
「つまり…どういうことですか？」
Aは多分、と付け足して口を開いた。
「力のある者の血が美味しく感じるんだと思います」
「あッ…ボク弱いんだね…」
「輸血パックより美味しかったですから大丈夫です」
落ち込む谷崎に、見当違いな慰めをした。
つまりAは、力が強い者(詳細は定かではない)の血が美味に感じる特異体質らしい。
「じゃあ、社員みんなで少しずつ血を分けて」
「あぁ、それなら大丈夫」
太宰がにっこりと笑みを浮かべながら入ってきた。
何故かAの肩がビクリと跳ねる。
「私の血なら少量で回復するようなので」
「いつのまに飲ませたんだい」
Aがそっと目をそらした。
アレはもう嫌だ、それを云うのも嫌だ。
「取り敢えず、食事面では太宰が血を分けるそうだから問題ないだろう。
あとは、どうやって元に戻すかだね」
「相手を見つけ出して、無効化するか殴り倒す」
Aは静かに、それでいてしっかりと答えた。
瞳の奥で、憤怒が揺らめいていた。
「恐らく相手も同じ体質になっている、なら夜に動くはずです。
そこを見つけ出して…」
Aの唇が一瞬、笑うように歪められた。
「絶対に後悔させてやる」
美しく笑うその姿は、吸血鬼以上にゾッとするものがあった。
あの異能者は、こうして被害者を増やしている。
死人も出ている、それを笑っているのだ。
「よぉし、そうと決まったら夜に捜索開始だ！」
「僕達、情報集めてきますね！」
「アンタは夜まで寝てな！」
皆それぞれ、仲間を元に戻す為に協力してくれた。
それが、嬉しかった。
「あ、血いる？」
「いりません！！」
太宰はちょっと苦手になったが。
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もこすけ(プロフ) - あっきーさん» 嬉しいコメントありがとうございます。人狼ゲーム、書いていても楽しかったです。考えるのはなかなか大変でしたが、喜んでいただけて良かったです。これからも応援よろしくお願いします。 (2019年11月26日 23時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
あっきー - 人狼シリーズ大好きです！本当に天才だと思います！！これからも楽しみにしています！ (2019年11月25日 17時) (レス) id: d54700ef05 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - そー氏。さん» ご質問ありがとうございました。本当ですね、たった今気づきました。ありがとうございます。これからもこの作品を、よろしくお願いします。 (2019年11月3日 9時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
そー氏。(プロフ) - 返答ありがとうございました。いつもこの作品応援しています。ちなみにタイトルが「この十六」になってますよ「その十六」じゃありませんか？ (2019年11月3日 9時) (レス) id: 15750ac93c (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - そー氏。さん» ご質問ありがとうございます。小泉は、普段は髪で隠れて見えませんが、首筋にホクロがあります。基本、見えるところにはありません。ちなみに母親の雪も同じです。 (2019年11月3日 9時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年8月17日 20時
