月の下で肌に歯を立てて［夜猫様リクエスト］ ページ1
巷で、吸血鬼が出るという噂があった。
なんでも、深夜に出歩いた人が何者かに襲われ、血を抜かれて死ぬのだという。
しかも、首には牙のような跡があるそうだ。
「異能者の仕業でしょうか…」
「乱歩さんはそう見ているよ」
探偵社にその件で依頼が来た。
死人が出ている以上、無視はできない。
警察もかなり手こずっていたが、乱歩の手にかかればあっという間だった。
割り出した隠れ家の前に立ち、互いに目を合わせて確認する。
「三、二、一…」
国木田が扉を蹴破り、敦とAが部屋に突入する。
薄暗い部屋の中、蹲る男を発見した。
「お前が吸血鬼事件の犯人か」
男は、三人の存在に驚き、そして窓から逃げ出そうとする。
しかし、カーテンを開けた瞬間だった。
じゅう…
「なっ…！」
日の光を浴びた男の手が、火傷のように爛れた。
そして、ボロっと指先が灰のように崩れ落ちる。
男は悲鳴をあげ、倒れた。
「まずい！」
急いで三人は男に駆け寄り、怪我の具合を見る。
その時だった。
ザッ
「ッ！」
男の尖った爪がAの首を少し掠めた。
すると男は、まるで吸血鬼のような牙をのぞかせてニヤリと笑った。
「ッ、ぅ…」
その瞬間だった、凄まじい目眩を感じたのは。
立っていることもままならなくなり、膝をつく。
国木田と敦の声が聞こえる。
「ッ、なに、を…」
視界の隅で、男が笑っていた。
「A！！」
それを最後に、Aはバタリと倒れてしまった。
遠のく意識の中最後に感じたのは、喉の渇きだった。
「…う」
ガンガンと響く頭の痛みで目が覚めた。
視界に飛び込んでくるのは、見慣れた医務室の天井と、何故か閉められたカーテン。
「あ…Aちゃん、目が覚めたんだね！」
ずっと待っていたらしい敦がホッとした顔をする。
だが、彼は直ぐに顔を曇らせ、与謝野を呼びに行った。
白衣姿の与謝野は、部屋に入ると近くの椅子に腰掛けた。
「A、落ち着いて聞きな」
与謝野はそっとAの手を握り、視線を合わせる。
「アンタは今、異能者の異能で体の作りが変わったんだ」
「体のつくり…？」
「…端的に云うと」
吸血鬼になったんだよ、その言葉は、あまりにも非現実的で、Aは受け入れられなかった。
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もこすけ(プロフ) - あっきーさん» 嬉しいコメントありがとうございます。人狼ゲーム、書いていても楽しかったです。考えるのはなかなか大変でしたが、喜んでいただけて良かったです。これからも応援よろしくお願いします。 (2019年11月26日 23時) (
レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
あっきー - 人狼シリーズ大好きです！本当に天才だと思います！！これからも楽しみにしています！ (2019年11月25日 17時) (レス) id: d54700ef05 (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - そー氏。さん» ご質問ありがとうございました。本当ですね、たった今気づきました。ありがとうございます。これからもこの作品を、よろしくお願いします。 (2019年11月3日 9時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
そー氏。(プロフ) - 返答ありがとうございました。いつもこの作品応援しています。ちなみにタイトルが「この十六」になってますよ「その十六」じゃありませんか？ (2019年11月3日 9時) (レス) id: 15750ac93c (このIDを非表示/違反報告)
もこすけ(プロフ) - そー氏。さん» ご質問ありがとうございます。小泉は、普段は髪で隠れて見えませんが、首筋にホクロがあります。基本、見えるところにはありません。ちなみに母親の雪も同じです。 (2019年11月3日 9時) (レス) id: 4a59fda111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もこすけ
| 作成日時：2019年8月17日 20時
